近頃私は、あまり遠くに出掛けられないので、釣れた魚が20センチあれば「結構大きいぞ」と思うような渓流でよく釣りをしています。
そこまで自ら望んでこういった釣りを始めたわけではないのですが、いざやってみると毎回新しい発見があったり、課題が見つかったりして、それなりに面白いもので、随分と夢中になっています。
それにしても、すっかり魚のサイズに対する感覚が変わってしまったものです。
春先までは、80センチ以上ある魚に対して「ちょっと小さいな」と言っていたはずなのに、今では手の平サイズの魚を釣ってもニコニコしているのです。
このサイズ感覚で、ちょっと前までの釣りを振り返ってみると、結構良い釣りができていたんだなと、遅ればせながら満足感を得られたりもしています。
思えば近年は、次から次へと高い目標を立てて進んできたために、いつの間にか完全に目標を達成しないと満足することができないような、アスリートのような釣りをしてきていたようです。
それが、こうして小物釣りをすることで、エスカレートし続けてきた気持ちをリセットでき、純粋に釣りを楽しむ気持ちを少し取り戻せたようです。
今では、この先またいつか自由に何処にでも釣りに行ける日々が戻ってきたとしても、時々は繊細な釣りもして気持ちをリセットすることにしようと思っています。
こんな発見ができたこの2020年という年は、あまり思い通りに釣りに行けなかったものの、自分にとってはとても意義のある年になったと言えるのではないでしょうか。
「禍転じて福となす」とまで言えるかは分かりませんが、これはこれで良かったのだと思えるくらいには、良い釣りができた年にはなったと思っています。