私は、北海道で釣りをしていてヒッチハイクをしている若者を見かけると、拾って一緒に旅をしたりしたことがよくありました。
そんな中で車に乗せた若者が、知床五湖に行きたいと言うので連れていったことがあるのですが、奇妙な所でしたね。

完全に木道の上しか歩けず、その周りに過剰なまでに電気柵が張り巡らされていて、土の匂いさえ感じられません。
そんな場所で、ガイドとやらが沢山の人を引き連れて、自然について語っています。
安全と言えば安全なのかもしれませんが、こんな柵の中から見ただけでは、テレビの映像を見ているのと同じで、本当の自然を感じられないのではないでしょうか。
なんだかテーマパークを歩いているようで、奇妙な所だと思ったのを覚えています。

自然というものは、本来は危険なものですから、それを体験したいのなら、多少は怖い思いをしなくてはいけないでしょう。
そんな怖さを取り除いて、テーマパークのようにしてしまったから、危険さを何も知らない観光客が沢山来ることになったはずです。
そして、そんな観光客がクマなんかにエサをやったために、人を怖れなくなり事故が発生したのではないでしょうか。

金儲けのためには、テーマパークのようにして、人を沢山呼びたいのかもしれませんが、その結果が今の知床の危険な状況なのかもしれません。
こうなったのは人間に責任があるのですから、一人や二人クマに襲われたからといって、騒ぐものではないでしょう。
これからも自然を金儲けの道具に使おうとするなら、アホな観光客は沢山来るでしょうし、どんどんと動物との距離感は狂ってくるはずです。

人間が勝手に世界遺産だなんだといって押し寄せてきて、自然をめちゃくちゃにしてくるのですから、動物達からしたら、いい迷惑ですよね。
まあ、観光業の人は、この程度では反省しないでしょうから、これからも知床はどんどんと奇妙な場所になっていってしまうことでしょう。