釣りをする時に入漁券を購入しても、その記載内容を隅々までしっかりと読むという方は少ないのではないでしょうか。
普段、真面目に読んでいないこのようなものを、よくよく読んでみると、意外な発見があったりします。
シンカーリリースって何?
さて、ここに中禅寺湖の日釣り券なるものがあります。
岸釣り2160円。
なかなかのお値段です。いっそのこと8000円くらいにして、釣り人をもう少し減らして欲しい気もしますが、その話は今回は置いておきましょう。
神通川のサクラマスと入漁料10万円の世界。 - 釣りにゃんだろう
この日釣り券の裏面の「遊漁注意事項」というものを読んでいきますと、「カエシの無い針以外のものを用いてはならない 」など、誰でも読まなくても知っていることが書いてあります。
さらに読み進めていきますと、
「環境保全のため、以下の行為を禁止します。
まき餌・よせ餌、シンカーリリース」
との記述があります。
撒き餌やよせ餌は分かるとして、シンカーリリースとは何なのでしょう?
私は聞いたこともありません。
聞いたことがないということは、私がやったことのないトローリング関係の言葉ではないかと予想はつくのですが、一体何なのでしょうか?
鉛廃棄装置。
シンカーリリースという言葉をネットで検索してみても、あまり詳しい記述は見つからないのですが、しっかりと写真つきで説明してあるサイトがありました。
シンカーリリースとは、トローリングに使われる仕掛けのようなもののようです。
トローリングでは、レッドコアラインという鉛の芯の入ったラインを使用して、ルアーを狙った層まで沈めて泳がせることが多いです。
シンカーリリースというのは、このレッドコアラインを使用しなくてもトローリングできる仕掛けだそうです。
金具の両端にスイベルが付いて、金具の中央にナス型おもりを取り付けて使うらしいです。
おそらく片方の端にメインラインを、もう片方の端にリーダーを接続して、ルアーを沈めるのでしょう。
そして、魚がヒットすると、どういう仕組みになっているのかは分かりませんが、おもりが自動的に外れるそうです。
その方がファイトしやすいからでしょうか。
つまり、シンカーリリースとは、魚が掛かる度におもりを湖に自動で捨てる仕掛けだったのです。
鉛害の危険性が盛んに指摘されている時代ですし、これが禁止されるのは納得ですね。
しかし、たとえシンカーリリースの使用が許可されていたとしても、それで廃棄されるシンカー以上の数の根掛かりしたルアーが、日頃から湖には廃棄されている気がします。
ルアーには鉛が使われていないものも多いですが、環境に悪影響を及ぼすことには違いないはずです。
フライフィッシングにしても、フライにはウェイトが巻いてあったりするわけで、それを根掛かりで水中に残すのは良くないことでしょう。パッと見は綺麗そうな湖でも、水中は地獄のようになっていることは、容易に想像がつきます。
ですから、「シンカーリリースだなんてヒドイ仕掛けだなぁ」と、単純に非難することはできずに、どんな釣りでも多かれ少なかれ環境に悪影響を与えているということを、我々釣り人は忘れてはいけないのではないでしょうか。
入漁券の裏の謎の言葉は、我々に釣りの悪質さを、しっかりと教えてくれています。