釣りにゃんだろう

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釣り具店が本当に減った。

近頃、生まれ故郷の近辺で車を走らせていると、「釣り具屋が減ったなぁ」としみじみと思います。

私が子供の頃に行ったことのある釣り具屋は、街の中だけでも7軒ほどあったと思うのですが、なんと1店舗も現存していません。
家族でやっているような昔ながらの小さなお店もありましたし、90年代の釣りブームに乗ってできたようなプロショップ的なお店もありましたし、大型チェーン店もありましたが、全て閉店してしまったのです。

単純に考えると釣りブームが去り、釣りをする人が減ったのが原因かと思われますが、釣り人が急激に増加する以前からやっていたお店もあるわけで、それだけが原因ではないはずです。

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やはり、釣り具もネットショッピングで買うのが主流になってきたというのが、お店が成り立たなくなってきた大きな原因なのではないでしょうか。

今ではあらゆる釣り具が、Amazonなどで迅速に買えてしまいます。
お店に行かなくても家に届くのですから時間の節約にもなりますし、値段だって最安値なことが多いです。
釣り具屋に在庫がないようなものでも、お店に頼んで取り寄せるよりも、手間がかからず手に入ってしまいます。
ネットで買う方が安くて早いとなれば、釣り具屋さんに、そうそう勝ち目はないでしょう。

自分のお店もネットショップを持つことで生き残っている所もあるようですが、これはAmazonなどでは手に入らないような、相当ニッチな物を取り扱ってでもいないと難しいはずです。
そういった物は、数も売れないでしょうから、利益もあまり出ないでしょう。

 

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後は、釣り具を実際に触って見て選びたい人を相手にするしかないでしょうか。
これだって、商品を触って確かめて、ネットで安く買う人だっているでしょうし、釣り具屋さんで買ってくれる人は少数派のはずです。

釣りの情報を話したり、釣り談義したりするのが好きな人を集める、という方法もあるかもしれませんが、こういった「身内だけ盛り上がり作戦」は、かえって他の客を寄せ付けなくなり自滅する可能性があります。

 

こうなってくると、ネットを使えない老人とか、数時間後に使う物が欲しい人とか、釣り餌を買う人程度しか、釣り具屋さんを必要とする人はいなくなってしまいます。

これでは、余程釣りの盛んな地域でなければ、経営は成り立たないのではないでしょうか。
私の故郷の辺りは、釣りが盛んではありませんから、見事に釣り具屋さんが減ったのだと思います。

 

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個人的には、私は人間嫌いですから、昔から「お店で買い物をする」というのが苦手ですし、ネットショッピングやオークションで様々な物が安く手に入れられるようになったので、とても良い時代になったとは思っています。

おそらく、今のような時代になっていなかったら、私は釣りを続けていなかったと思います。

子供や初心者に冷たく妙に気取っていたプロショップや、儲ける気満々だったチェーン店が潰れる度に、申し訳ないですが、「終わったな」と心の中で笑っているくらいです。

ただ、昔ながらの家族経営で細々とやっていたような釣り具屋さんがなくなってしまうのは、なんだか寂しい気持ちがしてしまうから不思議なものです。

子供の頃、親切に対応してくれたり、毎回おまけをしてくれた、心温まる釣り具屋のおじさんやおばさんは、どうなってしまったのでしょうか?

引退して静かにゆっくり暮らせているのでしょうか?
おじさんやおばさんの子供達は、無事に育ったのでしょうか?

 

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こんな心配をして心を痛めるくらいなら、ずっと買い物をしに通い続けるべきだったのでしょうが、現実的には釣り具屋に限らず、どうしたって買い物は便利で安い方を選んでしまうわけで、なかなか個人商店で買い物を続けるのは今の時代では難しいものです。

このままでは、大きなチェーン店や、ひっきりなしにお客が来るような釣りの盛んな土地のお店は残るかもしれませんが、あと10年もすれば、釣り具屋というものは、ほとんどなくなるかもしれません。
個人的には歓迎すべき時代の流れではあるものの、若干の寂しさは感じています。