テレビの釣り番組なんかで魚が釣れると、ぐっと魚を前に突き出してカメラに近づけ、さらに指をできる限り映さないようにして、魚を見せることが多いです。
魚がかなり大きく見えるからこのようなことをするのでしょうが、昔はここまであからさまにはやっていなかった気がします。
定着してきたのは、ここ15年くらいのものなんではないでしょうか。
今ではテレビだけでなく、雑誌の写真や素人の動画など、あらゆるところでこの魚を大きく見せるテクニックが使われています。
これだけあらゆるところで、この撮り方ばかりが使われると、もうやればやるだけウソ臭く見えてくる気がするのは、私だけでしょうか。
ああいった撮影方法のものをあまり見慣れていない人なら、「うわー、大きいなぁ」と思うかもしれませんが、もうほとんどの釣り人は見慣れてしまっているわけです。
腕をめいいっぱい伸ばし、これでもかと魚をカメラに接近させ「どや!」と見せられたところで、「はいはい、またやってるよ」と思う人は多いでしょうし、「本当はそこまで大きくないでしょ」と頭の中で補正して見る癖がついている人だっているのではないでしょうか。
こうなってくると、ああいったことをやればやるだけ視聴者は見たままの迫力を信じてくれなくなり、魚をより小さいものだと見なすようになり、最悪の場合には実際のサイズより小さいものだと思うこともあるかもしれません。
このように、もう簡単なトリックは通じない時代になってきましたから、あからさまに魚を前に突きだして大きく見せるのは逆効果なのではないでしょうか。
そろそろ控えめに、あまり腕を伸ばし過ぎずに自然に魚を前に出すくらいの方が良いのではないかと、私は思います。