釣りにゃんだろう

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安心安全じゃないことを楽しむのが釣り。

今年の春先でしたか、知床で観光船が沈没してエライことになりましたね。

運航していた会社の杜撰な管理体制などが問題になり大騒ぎになっていましたが、ああいった会社は田舎の観光業界にはいくらでもあり、氷山の一角でしかないと私は思います。

 

実際に私は北海道で、船体に穴が開いていたりヒビが入ったりしている船に、明らかに定員オーバーの客を乗せたり、そんな船のエンジンがしょっちゅう壊れたり、ガス欠を起こすような現場を目にしたことがありますから、適当に運航されている船なんて、本当は日本中にいくらでもあるはずです。

こうなっているのは、あまりお金をかけずに運営せざるを得ないという田舎の観光の性質からすれば、当たり前のことだと思います。
実際に、あの事故以降も日本中で観光船が事故を起こしていますし、どこでもあんなものなのかもしれません。

 

もちろん、安全面に細心の注意を払い真面目に営業をしている会社も沢山あるのでしょうが、それでも船というものが深い水の上に浮かべるものである以上、100%安心安全なんてことはないはずです。

私は、日頃から素人が着衣のまま海に落ちたらほぼ死ぬと思っていますし、船舶免許を持っていますが、そんな危険な場所である海に、他人を乗せて出ていく気には全くなりません。

このように、海というものは非常に危険な場所なのですから、本来はいつでも死ぬ覚悟ができている人しか小さな船で出ていくべきではないでしょう。

ですから、そもそもが観光なんて遊び半分の気持ちで、気軽に行って良い場所ではないはずです。

 

どうしても観光客を船に乗せたいのだったら、「死ぬことがありますし、死んでも責任はとりません」と、はっきり明言するべきではないでしょうか。

そうすれば、海の危険性を理解した「安心安全ではないことを楽しめる人」しか利用しないでしょうし、どんな会社でも胸を張って営業できるはずです。

これは、釣りにも同じことが言えると思います。
釣りというものも、水辺や水の上で行うというものである性質上、100%安全ということはあり得なく、いくらでも死ぬ可能性がある危険なものです。

ですから、安心安全を求める人には向いていませんし、海に小さな観光船で出ていくのと同じように、「死んでもOK」という「安心安全でないことを楽しめる人」しかやってはいけないことだと思います。

 

海だろうと川だろうと湖だろうと、自然というものはいくらでも人の命を奪うものです。
釣りをするにしても、何をするにしても、そういった水辺に近づくのなら、命を落とすリスクがあることを忘れてはいけないでしょうし、そのリスクを受け入れられないのなら近づくべきではないのではないでしょうか。