釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

Rod and Reel 休刊と釣り雑誌の功罪

Rod and Reel (通称ロドリ)という、バスフィッシングがメインの雑誌が休刊になったそうです。
今回は、釣り雑誌について、あれこれ考えてみたいと思います。

f:id:nyandaro:20180425102015j:plain

Rod and Reel が、休刊したという噂を耳にした時、「よくここまでもったな~」と私は思いました。

この雑誌は、子供の頃、4回くらい買った記憶があります。
今思えば少し幼稚な内容だったとは思いますが、あまり釣り具の宣伝のような記事がなく、個性的な企画が多く、他の雑誌とは少し違った内容でしたね。
中でも「ウグイ将軍」という企画が好きで、私は身近にあまり居なかったウグイ釣りに憧れたものです↓

ウグイ 幻の魚 - 釣りにゃんだろう

 

このようなちょっと異端的な内容で、しかもバスフィッシングがメインの雑誌ですから、その後の時代を生き残るのは大変だったのではないでしょうか。
近年は読んだことがないので分かりませんが、個性的だった路線の変更なども強いられたのかもしれません。

 

釣り雑誌は広告です。

釣り雑誌というと、表紙では下品な笑みを浮かべた人が魚を持っていて、内容は、最新の釣り具を褒め称えたり、その釣り具を使うための釣りを紹介するような記事がメインのものが多いでしょう。

それもそのはずです。
雑誌なんてろくに売れるものではないですから、広告収入が利益の中の大きな割合を占めているはずです。

ですから、広告を出してくれるメーカーの物を使ったり、褒め称え宣伝し、メーカーと持ちつ持たれつで、やっていくことになるのでしょう。
当然、少しでもメーカーのイメージダウンに繋がるような批判的なことなど、絶対に書けないのでしょう。

 

フライやルアーの雑誌には、一見、広告的でなくおしゃれなような雰囲気のものもありますが、内容と言えば、キャップ、ベスト、サングラス、ウェーダーを身につけた、世間一般から見たら完全に不審者の格好をしたおっさんが、バカみたいに高い道具を使い、エサのような大きさの魚を釣る、といった記事が大半です。
綺麗な写真や文体で、誤魔化してはいますが、実際にやっていることは、メーカーヨイショがメインなのではないでしょうか。

 

画一的、無個性、商業的な釣り人を量産。

f:id:nyandaro:20180425103149j:plain

 

こういった雑誌を読んだ人は、この国の人間は疑うということをあまり知らない人が多いので、だいたい書かれていること、載っていることを信じてしまいます。

何の疑いもなく、釣りメーカーのウェアを買って不審者の格好をし、専用の道具が必要なんだと思い込み、魚種ごとに高額なタックルを買い揃え、釣り場では流行している釣り方を、誰もが同じように横並びに行っている。

その結果、日本の釣りは、無個性で画一的で商業的な、とても味気なくつまらないものになっている気がします。

 

開高健は「現代は考えることのできる人にとっては喜劇。感ずることのできる人にとっては悲劇。」と、昔言いましたが、現在の釣り人は、考えることも感ずることもできない人が、多数派の気がします。
そこには、喜劇も悲劇もなく、本物の感動もないのです。

 

みんなと一緒じゃないと、釣りをすることができないわけではないのです。

f:id:nyandaro:20180425103248j:plain


何か釣りたい魚がいたら、自分の頭で考え、自分の足で釣り場に立ち、自分で自然を感じ、自分が本当に必要なものを揃え、自分で好きなように魚を釣れば良いのです。

こうした釣りは、頭を空っぽにして、誰かから見たこと、聞いたことしかしない釣りよりも、ずっと面白く奥深いものです。
自分の考えと行動で、一匹の魚を釣った時の喜びは、いつまでも心に刻まれる深いものです。

そんな奥深く喜びの大きな釣りするためには、まずは、釣り雑誌を読むことを止めたり、テレビの釣りチャンネルを解約してみては、いかがでしょうか。
それらの影響から自由になれば、自ずと自分の頭で考え出すことになるのではないでょうか。

 

youtu.be