私は、土曜日や日曜日には滅多に釣りをしませんし、できる限り何日も続けて平日にまとめて釣りをすることにしています。
こうすることにより、そこそこ良い釣果を得られることが多いわけですが、そんな自由気ままなことばかりをしていると、一般社会からはどんどん外れていくことになります。
そうなれば、当然困ることも沢山出てくるわけです。
それでも、どちらかと言うと社会から外れて反抗することを、通っていた学校などでは教育されてきたような所があるので、まあこうなる運命だったのだろうと諦めています。
自由気ままに釣りをしていると、以前書いたようにヒッチハイクしている若者を拾って、旅をするついでに釣りをするなんてこともあるわけで、こういった経験は大多数の釣り人には体験できない貴重なことでしょう。
自由と引き換えに失ったものも多い人生だったとは思いますが、それでも世の中の大多数の人が経験できないようことに沢山遭遇できたのですから、悪くはないものだったと思います。
ヒッチハイクの件以外にも、ふらふらと釣りをしていると、妙な人に出会うこともあります。
よく出会うのは、「鮭を加工しないか?」とか「昆布をとらないか?」といった、仕事の勧誘をしてくる人です。
こういった季節労働には、昔から旅人を使うのが定番らしく、勧誘にあったことがある人も意外と多いのではないでしょうか。
しかし、中には「いい加減な人を、いい加減に使える」という理由から、行きずりの人を雇うような所もあるようなので、注意が必要だと思います。
給料の未払いなどで揉めるケースも多いと、よく耳にしますから。
そんなわけで、鮭だ昆布だ農作業だといった労働の勧誘はそんなに珍しくないわけですが、あまりに突拍子なさすぎて、笑いそうになってしまったのは、旅人から「一緒に道路を作らないか?」と誘われた時のことです。
なんでも、ひと夏その町で道路を作る仕事があり、結構良いお金になるのでやることにしたが、人手が足りていないので、仲間を探していたそうです。
いくらそこそこお金が良くたって、いきなり道路を作るなんて重労働はしたくありませんでしたし、私はあくまで釣りをしたいのでお断りしましたが、今でもこのぶっ飛んだ話を思い出しては、時々笑ってしまいます。
数少ない友人などに、この話をしても、みんな笑ってくれますし、釣りをバカみたいにしていたおかげで、なかなか良いネタを仕入れられたので、とても良かったと思っています。
このように、私にとって釣りをすることは、ただ単に魚を釣る体験ができるだけでなく、貴重なぶっ飛んだ体験ももたらしてくれるものとなっています。
釣りを続けているのは、こういった点にも魅力を感じているからなのかもしれないと、よくよく考えてみると思います。
だって、いきなりさっき出会ったばかりの人に、「一緒に道路を作らないか?」なんて言われることが普通ありますか?
自由気ままに釣りをしているとか、余程ヘンテコな暮らしをしていなければあり得ないことでしょう。
次はどんなぶっ飛んだ体験ができるのか、少し楽しみにして今しばらくは釣りを続けたいと、私は思っています。