釣り場に停まっている車を見かけると、ついついナンバーをチェックしてどこから来ているか探ってしまうものではないでしょうか。
あんまり褒められた行動ではないわけですが、それによって「釣り場に精通していそうな地元の人だから、今日は狙い目なのかもしれない」とか、「遠方から来た見かけない人だから、あまりポイントが分かっていないのかもしれない」など、色々と詮索してしまうものです。
ナンバーだけでなく車種も重要で、いかにも釣りまくっている人が乗っていそうな四駆なんかが停まっていれば、「全部釣られてしまう」と心配になるものですし、釣りをあまりしそうもないセダンなんかだと、「ちょっとやってみてるだけだろう」なんて油断をしたりもするものです。
考えてみれば、この車のナンバーや車種をチェックする行為というのは、釣りがよく行われるような田舎では、釣り人以外もかなりやっている気がします。
田舎の人は、知り合いの車種やナンバーはよく覚えていて、「この間どこどこに居た」と噂話をしていたり、見かけないナンバーの車があれば興味津々で、その車を二回見かけようものなら、「この間も居た!」と大騒ぎするような人が沢山います。
いつぞやも、私が自分の車のナンバーの土地からかなり遠くの地方の道の駅に行き、車を停車させて休憩していると、散歩しているような地元の親子が、私の車を指差して大声で「~から来てるよ」なんて騒いでいました。
目が合うくらいの距離なのに、そんなことをしてくるとはなんとも厚かましいな
と思ってしまったわけですが、まあ彼らにとってみればそれが普通のことなのでしょう。
このように、日本の田舎には排他的で監視し合うような雰囲気が、まだまだ根強く残っているのだなと、あちこち釣りに行くと感じることがよくあります。
隣組なんてものをやっていた頃と、それほど変わらないのではないでしょうか。
近頃、他県ナンバーが煽られたたどか、家に石を投げられたとか、といったニュースがありましたが、そういうことが起きてもまったく不思議ではありませんし、むしろ起きない方が不思議なくらいです。
こういった雰囲気が嫌だと思う若者は、どんどん地方を離れていくでしょうし、こんな実情を知らずに都会から移住してきて後悔している人も沢山いるのではないでしょうか。
これが良いのか悪いのかという話は置いといて、日本人に染み込んでいる文化なようですから、これからもずっと変わらず、このような社会が続いていくのでしょう。