たまに管理釣り場で釣りをする人が、高性能な高級リールを使う理由として、「巻き心地のスムーズなリールは、巻いている時の感覚の変化で、魚がルアーに着いてきているのが分かるからだ」と説明していることがあります。
私は、そんなお高いリールは持っていませんし、あまりそういった釣りもしないので、この話が本当なのかどうかはよく分かりませんが、あり得ない話ではないと思います。
なぜなら、フライラインを手で引っ張っていても、似たようなことが分かることがあるからです。
フライラインを手で引っ張ってリトリーブする釣りをしていると、フワフワとした感覚がしたり、モワっと引き抵抗が微妙に小さくなるような感覚がすることがあります。
そして、その後にグッと魚が掛かかることが多いのです。
ですから、この奇妙な手に伝わってくるフワフワとした感覚はおそらく、魚がフライの後ろに着いて追っかけてきたり軽く触れているような、前アタリといったものだと思います。
このように手でラインを引っ張って釣っていても前アタリが分かることがあるのですから、高性能リールで釣りをしていても似たようなことが分かることはあるのではないでしょうか。
それにしても、人間の手の感覚というものはバカにはできないものですね。
ルアーフィッシングのラインと比べたら、かなり弛みのある太いフライラインを引っ張っていても、こういった微妙な変化に気がつくのですから。
結局はどんな高性能リールよりも、人間の手が一番感度に優れているのかもしれませんね。