ルアーの中には、非常にリアルに細部まで小魚などの模様を再現したものがあります。
フライも、昆虫や小魚を超リアルに再現したものを作る人がいるものです。
こういったものは人間が見間違えるレベルまでリアルなわけですから、当然魚にも抜群の効果がありそうなものですが、大雑把な作りのものと比べても、あまり釣果には差が見られない気がします。
おそらく魚は、そんなにルアーやフライの細部まで見ずに食いついているのではないでしょうか。
そうでなければ、一見何の物体だか分からないようなルアーやフライにガンガン食いついてくるわけがありません。
細部のリアルさよりも、全体的なフォルムや動きに、魚に「これは食える」と思わせられるものとなっていることが大事なのかもしれません。
ですから、リアルなルアーやフライが釣っているのは、細部まで気にしている人間であり、魚にはそこまで効果はないのではないでしょうか。
魚たちが、餌に食いつく時にいちいち「これはワカサギだ」とか「これはウグイだ」とか「これはヒラタカゲロウだ」などと、はっきりと認識しているのでしょうか。
私は、そこまで細かく考えてはいなくて、もっと感覚的に「これは食べ物だなあ」と大雑把にとらえているのではないかと考えています。
ですから、その時に食べているものにルアーやフライが、なんとなく雰囲気が似ているだけでも、十分に効果はあるのではないでしょうか。
ルアーやフライがリアルであることには、ほとんど意味がないことなのではないでしょうか。