釣りにゃんだろう

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ヤマメは幻の魚だった?

ヤマメという魚は、どこにでも居るものでもありませんが、釣り人にとっては結構身近な魚です。
ところが、そうなってきたのは、意外と最近のことなのかもしれないというのが、今回のお話です。


もし放流がなかったら。

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ヤマメは、北海道では手掴みでとれるくらい川に溢れているものですが、本州ではそこまで簡単に釣れるものではありません。

ヤマメという魚は、本州では放流に頼った状態であり、身近な存在であるヤマメは、放流ヤマメであるということが多いはずです。

そんなヤマメの放流は、今はどこでも行われていますし、当たり前のものとなっています。
ですから、かなり昔の戦前あたりから、行われてきたのではないかというような気がします。

しかし、こういったことが行われるようになったのは、意外と最近のことのようなのです。

ヤマメの養殖が確立されたのは1965年くらいであり、日本中で盛んに養殖されるようになったのは、1970年以降だそうです。
ですから、川にヤマメが放流されるようになったのは、この頃からということでしょう。

 

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この頃の時代というものは、急激な開発に伴い、おそらく日本中で最も自然破壊が進んだ時期なのではないでしょうか。
そのような時代で、釣りも釣れるだけ釣って持ち帰るのが当たり前だったでしょうから、 ヤマメというものが、姿を消しつつあった川が、沢山あったのではないでしょうか。

今では、幻の魚というとイトウなどを指しますが、この時代にはヤマメをそう呼ぶこともあったようです。

 

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一方で、ヤマメと並び昔からよく放流されているニジマスという魚がいます。

この魚は、なんと1887年から日本で養殖され放流されているそうです。

近頃は、生態系などを考慮し、ニジマスは放流されないことも増えてきましたが、もしヤマメの養殖に成功していなかったら、今頃は渓流釣りというと、放流されたニジマスを釣るものということになっていたかもしれません。

それにしても、川で何の魚が釣れるかは人間の養殖技術次第だなんて、この国はなんて自然の貧しい国なのでしょうか。

ヤマメの養殖技術と川で釣れる魚の関係を考えていると、つくづくこの国の環境というものは酷いものだなあと思ってしまいます。