日本には特定外来生物というものがあり、これに指定されると許可なく飼育したり、放流したり、生きたまま運ぶことが禁止されます。
釣りの対象魚として、ラージマウスバス、スモールマウスバスなどが、指定されている
ものとして有名です。
この特定外来生物にニジマス(レインボートラウト)も指定されるのではないか、と言われていましたが、現在のところ指定されてはいません。
ニジマスは、北米原産の魚ですし、北海道では自然繁殖しまくっていますし、本州でも自然繁殖している場所もあります。
このような状況なので、当然、在来種や環境に与える影響は小さくないわけですが、特定外来生物に指定はされていないわけです。
このことからは、特定外来生物なんてものは、所詮ご都合主義のものなんだなぁということが見えてきます。
ニジマスは、明治時代に養殖技術が確立されると、各地で公的に大量に放流されたという歴史があります。
また、今でも各地で盛んに養殖されていて、放流もされています。
それから、遊漁の対象として、漁協や町が売りにしている所も沢山あります。
このような歴史や状況を考えると、ニジマスを特定外来生物に指定してしまうと、困る人が沢山いるはずです。
以前指定の検討が噂された時も、様々な現場から反対の声が上がったようです。
要するに、ニジマスを特定外来生物に指定すると、損害が出る人が沢山居るということです。
あれこれと理由付けられてはいるのでしょうが、結局は現在ニジマスが特定外来生物に指定されていないのは、このことが原因でしょう。
環境がどうこうというよりも、お金に関わることの方が優先された結果なのではなでしょうか。
このような結果をみてみると、特定外来生物などというものも、所詮はお金や利権絡みのご都合主義的なものなのだということが分かってきます。
在来種だ外来種だ生物多様性だと、様々なことが言われていますが、結局は金になるかならないかが大きな判断の基準になっているのでしょう。
そんな人間達の都合で、生き物の命が左右されているとは、なんとも罪深いものだと思うのは、私だけでしょうか。
こんな人間達には、これ以上生き物の命を玩ぶ権利はないと思うのですが。