釣りにゃんだろう

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イトウは捕食が上手なのか下手なのか。

イトウという魚は、流れの緩い場所に居ることが多いですし、釣れてもどこまでも突っ走るなんてこともないですから、それほど泳ぐのが上手な魚ではないのだと思います。


ですから、餌を捕食する時にも、ビュンビュンとどこまでも小魚を追い回すなんてことは少なく、通り掛かったものをパクリとしたり、岸に追い込んで食べたりと、あまり大きく動かずに捕食することが多いようです。

 

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イトウが居る川に行くとよく見られる行動に、「壁ドン」があります。
岸際から深くなっている場所や抉れている場所に潜んでいるイトウが、岸際を往来するウグイやトゲウオやワカサギや鮭稚魚などを、岸に向かって体当たりのようにして追い込んで、バコン!と食べる行動です。


一説によると、この時に空振りのように一度突撃し、泥を巻き上げて水を濁らせて目眩ましのようにして、その濁りに入ってきた小魚を食べているなんてこともあるようです。

このように、泳ぐのが下手なりに、イトウは工夫して効率よく餌を摂っているようです。

 

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この工夫も究極的な段階まで行くと、どうも釣り人さえも利用しているのではないかと、私は考えています。

釣り人が多くスレきっているようなポイントに行き、その居場所にルアーやフライを落とすと、フラーっとイトウが出てきて、チェックしてくることがあります。
そのままルアーやフライに食いついてくるなんてことは、小さな若いイトウ以外では滅多になく、じっくりとルアーやフライを観察してラインさえ見極めているような行動をとります。

 

こちらは、目の前で大きな魚がブラブラしているのですから、ドキドキしたり熱くなったりしてしまうわけですが、イトウは冷静さを保ち続け釣れる気配はありません。

そのまま、なんとか釣れないかと、釣りを続けていると、ルアーやフライをトゲウオやワカサギやウグイなどが追いかけてきて、小魚がだんだん集まってくることがあります。
そして、この集まってきた小魚に向かって、イトウがバコンッ!と襲いかかったりするのです。

 

 

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もうこうなってくると、スレきったイトウは、ルアーやフライやラインの存在を知っていて、さらにそれが投入され続けると小魚が集まってくることを学習しているのではないか、とさえ思えてきます。

これが本当なら、釣り人よりもイトウの方が一枚上手であるということになるのかもしれません。


ここまでされてしまうと、私は素直に負けを認めて、もう釣る気も失って、どんどん小魚を集めてあげようかと、ひたすら投げては引っ張ったりして遊んでしまっています。
散々釣り人にはイジメられてきたのでしょうし、ちょっとくらいは罪滅ぼしをしてあげないといけないかなと思うのです。
魚と遊んでいるような気さえしてきて、これはこれでそれなりに面白いものですから、今後も続けていきたいと思っています。