今年の6月に私はモンゴルに釣りに行っていたのですが、正直出発する直前まで行きたいような行きたくないような微妙な気分でした。
なぜなら、過去2回連続してモンゴル釣行が微妙な釣果に終わっていて、行ったところで無駄な気がしていたからです。
ほぼ釣り人が立ち入っていないような場所に行っても、10年ほど前と比べると明らかに魚が少なく、異常に暑い日も多く、気候変動の影響で冷水性の魚はかなり減っているのではないかと、思わずにはいられないのでした。
それなら、もう行かなければよいだけの話なのですが、「まだギリギリいけるんじゃないか」と無謀な期待をしてしまったり、あと1人いると都合が良いからと誘われたりして、行くことにしてしまったのです。
地球の環境がおかしくて魚が釣れないのなら、自分ではどうしようもありません。
いくら良いタックルを準備したり、納得のいくフライを巻いたり、キャスト練習をしたところで、魚が釣れるわけがないでしょう。
こうなったら神頼み的なことしか、魚を釣るために自分ができることはなさそうです。
そこで私は、ふと以前から成功を呼び込むという噂を聞いていた『宇宙パワーシール』を使ってみようと思いました。
日頃から私はこういったものは全く信じていない人間ですが、もうこれくらいしか頼れるものはないという心境だったのです。
意外と良心的な価格の宇宙パワーシールを1シート買い、半分は最近色々と困っていそうな若者の知り合いに「これで全て上手くいくから」と言ってあげて、残りの半分を自分で使うことにしました。
かくして、フライボックス、ロッドケース、ロッドのリールシートに、説明書き通りに真剣に貼り準備を終え、私は旅立ったのでした。
何もしないよりは安心した気持ちで出発できましたが、心のどこかで「やっぱりダメなんじゃないかな」と思い、釣りをする前から少し諦めモードという、なんとも脱力した旅の始まりとなりました。
中編につづく。