釣りにゃんだろう

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ピンネシリの道の駅でイトウを見た話。

北海道の道北と呼ばれる地域に、敏音知(ピンネシリ)という場所があり、小さな道の駅があります。

私は、この道の駅が商売臭くなく落ち着いた雰囲気で気に入っているので、よく休憩などに使うことがあります。

今年の5月のある日にも、この道の駅にトイレ休憩に立ち寄る機会があったのですが、そこで衝撃的な出来事に遭遇しました。


尾鰭が…

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私が車を駐車してから、トイレまで歩いていく間に、一台のジムニーが停まっていました。
「なんだか釣り人っぽい車だな」と思いながら、その車の横を通り過ぎようとした瞬間、衝撃的な光景が目に入ってきました。

ジムニーの後部の荷室が、外からガラス越しに見えていました。
そこに、ぴょこんと、どう見ても魚の尾鰭が見えるのです。

さらに、よく見てみると、荷室にはバケツのような容器が積んであり、そこに魚が頭から縦に突っ込んであり、容器からはみ出た尾っぽが突き出ているのです。

 

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ぱっとみた感じでは、魚は70センチほどありそうです。
すでにカチカチに死後硬直している感じでしたが、見慣れた形の尾びれといい、サイズといい、魚はイトウであると私は思いました。

また、この道の駅の立地的にも、よくイトウの釣れる道北の地域から、それ以南の地域を結ぶ途中にあり、イトウを釣った人が帰り道に通ったとしても不思議ではありません。

 

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それを見て、私は、なかなか複雑な気持ちになりました。

まず、それほど大きい魚でなかったので、「大丈夫だ。オレの魚は釣られていない」と、ホッとするという、いかにも釣り人らしい卑しい気持ちが湧いてきました。
それから、食べるのか剥製にするのかは分かりませんが、こうしてイトウをキープして持ち帰る人が、未だにいるのだなぁ、というちょっと残年な気持ちにもなりました。

別に法律でリリースが決まっているのではないのですし、釣ったイトウを食べようが剥製にしようが、その釣り人の自由ではあると思います。
それでも、一般的な一人の人間としての倫理観からすれば、「数が少ない、絶滅しそうだ」と言われている魚の、親ざかりのサイズのものを、堂々と持ち帰ってしまうのは、いかがなものかと思います。

 

やはり、釣り人という人間の中には、こうしてフラッと立ち寄った道の駅で出会ってしまうくらい、最低限の倫理観も持っていないような人々が沢山居るのかもしれません。

なんだか、重い足取りで私は道の駅を後にすることになるのでした。