先日、テレビの釣り番組で海で船からルアー釣りをしている様子を見ていたら、やたらと魚がバレまくっていて、結局30分番組でヒラメ一匹しか魚が釣れませんでした。
魚がバレまくっていたのは、たまたま魚の食いが浅かったということも考えれますが、使用していたロッドとラインに原因があると、私は思います。
釣りのテレビ番組は、道具の宣伝であることが多いので、当然最新のロッドとラインが使用されていました。
この最新のロッドやラインというものは、どういうものなのでしょうか。
まず、ロッドについてですが、現代のロッドは、感度が重視され、硬めであることがほとんどです。
私は、滅多に近年作られたロッドを使うことはないのですが、たまに使ってみると、ただの棒じゃないの?というくらい、張りが強い気がします。
それから、ラインは当然ながらPEラインが使われることがほとんどです。
PEラインは、伸びが少なく驚異的に感度の良いものです。
さて、こういった高感度ロッドとPEラインという組み合わせで釣りをすると、一体どうなるでしょうか。
魚が掛かり暴れた時に、ロッドはしなやかに深く曲がりませんし、ラインは伸びませんから、そのショックを上手く吸収できる部分がなく、魚はバレやすくなるはずです。
私も、ちょっとだけ近年作られたロッドにPEラインで釣りをしてみたことがありますが、慣れていなかったせいもあるでしょうが、掛かった魚の8割近くをバラしてしまい、度々虚しさから青空を見上げることになってしまいました。
もう魚をフッキングした瞬間から、「これはバレそうだ」という魚を弾くような感覚が伝わってくるのです。
これが近年作られたロッドでもラインをナイロンにしたり、PEラインを使っても古めのよく曲がるロッドを使えば、魚はバレることはありません。
近年の釣り具は、感度の良さばかりを求めているようですが、感度が良いために魚を掛けられたとしても、その魚をバラさずに釣るのは、大変難しいものとなっている気がします。
それに感度なんか悪くても、いくらでも魚は釣れるものです。
慣れてしまえば、グラスロッドにナイロンラインでも、いくらでも魚は釣れるものですし、その程度の性能のロッドやラインで充分なものなのです。
そんなわけで、高感度のロッドとPEラインは、魚をバラすための道具のようなものだと、私は思います。
先述のテレビを見ていた時は、あんなに魚をバラしやすい道具を使って、テレビ番組を収録しなければならないなんて、出演する人も大変だろうな、となんだか可哀相になってきてしまいました。
きっと、高感度のロッドやラインを求める釣り人は、あまり魚を釣ったことのない人々なのでしょう。
なかなか魚が釣れないので、「感度が良くなれば、もっと釣れるはずだ」と思っているのかもしれません。
そういった、ろくに魚を釣ったこともないくせに、釣り具の性能にこだわる釣り人が多いため、メーカー側がそのニーズに合わせて道具を作ってきたのが、現在の魚の釣れない釣り具が売られるようになった原因なのかもしれません。
釣り具屋さんで売られている最新の釣り具なんてものは、こんなものなのですから、魚を釣りたかったら、釣り具を選ぶ時は、メーカーやメディアの宣伝を鵜呑みにせず、自分の頭で考えて選ぶ必要があるでしょう。