釣り関係の雑誌やウェブや動画などを見ていると、魚をより大きく見えるように工夫して写真や映像を撮っていることが少なくありません。
写真や映像の仕組みにあまり詳しくない人は、「すごいな、でかいな」と、こういった工夫に簡単に騙されてしまうものですが、ちょっとした知識を持っているだけで、「また嘘くさい写真だわ」というように簡単に見破ることができます。
今回は、簡単に釣りの映像詐欺・写真詐欺を見破ることができるようになるために、魚を大きく見せる仕組みを少し勉強してみましょう。
魚を大きく見せる仕組み。
まず、写真や映像で魚を大きく見せる基本テクニックとして、遠近法を使うということがあります。
物というものは、レンズに近いほど大きく見え、遠いほど小さく見えます。
この差を使うことで、魚をより大きく見せることができます。
魚を持ってカメラに近づけ、腕を伸ばし、自分はカメラからできる限り離れることで、魚はより大きく見せることができます。
さらに、この時に魚を持っている手をできる限り写さないことで、手の大きさと魚を比較できなくなり、比較対象が遠くにある人間の体になるために、より大きく魚が見えるようになります。
それから、魚と人間との間により距離があった方が、魚は大きく見えますから、カメラは、人間の目線ではなく、魚の目線の高さにくるようにした方が、より大きく見えます。
画角と魚のサイズ。
もう1つ、魚の大きさの見え方に影響してくるものに、カメラのレンズの画角があります。
カメラのレンズには、どれだけの範囲が写るかという画角というものがあり、広い範囲が写るものは広角、狭い範囲が写るものは狭角と呼ばれています。
広角の方が、背景が広く写り遠近感が感じられるため、近くの被写体はより大きく見えます。
ですから、魚の写真や映像も広角なレンズほど、魚は大きく見えます。
スマホやウェアラブルカメラなどのレンズは、広角~超広角と呼ばれるようなレンズであることがほとんどです。
ですから、スマホやゴープロのようなもので撮影された映像や写真では、魚はより大きく見えることになります。
このような仕組みを理解してから、釣りの写真や動画を見てみると、かなりの場面でこれらのテクニックが使われていることに気づくのではないでしょうか。
それから、自分でもこのような工夫をして写真や動画を撮ってみれば、だいたい本当はどれくらいの大きさなのか、想像がつきやすくなってくるものです。
こうなってくれば、釣り具メーカーなどの嘘くさい映像や写真を見破るのは、もう簡単なことです。
どんなことでも騙されることは気分の良いものではないですから、冷静に写真や動画などの情報を判断してみることをおすすめしたいと思います。