釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

釣り人は、魚をバラして地面に寝転ぶ。

何か悔しいことがあると、人は地団駄を踏むと言いますが、私はあれはちょっと違うと思いますね。
本当に悔しいことがあると、人は立ってなんかいられないと思うからです。

 

陽が傾き、夕闇が迫ってくる時間帯。
朝の4時から釣りをして、ようやく一匹の魚が掛かった。
それもなかなか大きいようだ。
寄せては走られるのを何度も繰り返し、ようやく魚の姿が水面に見え隠れしだした。
「この一匹で今日は大満足でしょう」と思った瞬間、頭を振った魚の口からスローモーションのようにフックが弾き飛ばされていくのが見えた。

 

こんな時に私は、とてもで立ってはいられませんね。
服が汚れるのも構わず、地面に倒れ込んで、軽くのたうち回ります。

そんなことをするのはお前だけだろうと思われるかもしれませんが、去年川で釣りをしていたら、下流に入っていた人が魚をバラすと、石がゴロゴロした川原に倒れ込んでのたうち回っていましたから、結構こうする人は多いのではないでしょうか。

 

こんな風に、あまりに悔しいと人間は地団駄を踏む余裕なんてないのです。
ここまでの悔しさのような生々しい感情は、なあなあの日常生活ではなかなか味わえないものでしょう。
こんな人間らしい感情を思い出させてくれるだけでも、釣りというものはとても魅力的な行為だと思います。