いつだったか、テレビを見ていたら村田基氏が新製品のワンアンドハーフのロッドの説明していました。
私は、それを見て「ほぉ、シマノは古くさいことやるんだなぁ」と思ったわけです。
ワンアンドハーフとは?利点は?
ワンアンドハーフとは、2ピースのロッドが真ん中ではなく、グリップ寄りで分割されているロッドのことです。
村田氏は「ワンアンドハーフだから、綺麗に曲がる」というようなことを言っていた気がしますが、これは確かに間違いないことでしょう。
ロッドの曲がるど真ん中に継ぎ目があるのと、あまり曲がらないバット寄りに継ぎ目があるのとでは、どう考えてもバット寄りに継ぎ目があった方が、ロッドは曲げた時に綺麗なカーブを描きやすくなるはずです。
このような宣伝を見て「なるほど、シマノは素晴らしいロッドを発売したのですね」と思う人は、おそらく若者のはずです。
なぜなら、何十年も前にはワンアンドハーフのロッドが沢山存在していたため、ある程度の年齢以上の人なら「懐かしいな」と思うはずだからです。
私は、その時代には産まれていなかった世代ですが、オールドタックルを使って釣りをするのが好きなので、ワンアンドハーフのロッドは見慣れていますし、現在ワンアンドハーフのロッドが売られていることに古くささを感じたわけです。
ワンアンドハーフのロッドが昔は多かったのは、技術的な問題が大きかったのではないでしょうか。
現在のように自在にロッドのテーパーやパワーをデザインするだけの技術がなく、限られた技術の中で2ピースでも綺麗に曲がるロッドを考えた時にワンアンドハーフにする必要があったのではないでしょうか。
また、強度的にもセンターに継ぎ目があると、難しいこともあったかもしれません。
それから時は流れて、ロッドの継ぎ目がセンターにあろうと、4本や5本継ぎだろうと、かなり綺麗なカーブのロッドを作るだけの技術が発達し、大部分のロッドはワンアンドハーフにする必要はなくなり、あまり売られなくなったのでしょう。
そんなわけで、ワンアンドハーフのロッドは特に新しいわけでもありませんし、現在のロッドの中では、かなりの強度が求められる場合などを除けば、そこまで利点があるものではないはずです。
バスロッドを使う人の中には、未だにワンピースロッドにこだわる人もいるようで、そういった人達には通常のツーピースロッドよりも、ワン&ハーフのほうが魅力的に見えるかもしれませんが、正直実用場面ではほとんど差はないはずです。
そもそも、バスロッドにワンピースが多いのは、本場のアメリカでは家も車もバカでかくて、ロッドを分割する必要が無いからであり、性能面が原因ではないはずでしょう。
それでも、多少はワン&ハーフ構造に意味があるのは事実でしょうし、なんだかレトロな感じがしておしゃれなので、私は「まあアリかな」とは思っています。
そうは言っても、どうもシマノのロッドの使用感が好きになれないので、村田氏が宣伝していたようなロッドを買うことは絶対にないとは思いますが。