極限まで感度や飛距離や巻き心地を追い求めたタックルを使用するのが、現在の日本の釣りの主流です。
しかし、一方でオールドタックルを使った、ゆったりとした釣りを楽しむ人々も、少数ながら存在します。
そんなごく一部の釣り人を惹き付ける、オールドタックルの魅力とは何なのか、ここでは考えてみましょう。
安く手に入る。
一部のレアなものを欲しがったり、オールドタックルの専門店などで買わない限り、オールドタックルは、比較的安く買うことができます。
オークションには安い物が溢れていますし、リサイクルショップや中古釣り具屋では、ゴミ同然の扱いを受けていたりします。
私は、「リールなら、できる限り5000円以下」と予算を決めて趣味を楽しんでいます。
これは、現行の釣り具の値段から考えれば、かなり安い予算なのではないでしょうか。
お金をかけずに、釣りを楽しみたいという人にも、オールドタックルはお勧めです。
見た目が、個性的でオシャレでかっこいい。
リールに限って言えば、現在の釣り具のルックスは、無個性でギンギラしていて、とても趣味が良いとは思えません。
釣りをしない人間が見て、おしゃれだとは絶対に思わないようなデザインです。
ギラついた子供のおもちゃのようなデザインは、釣りのイメージダウンに繋がっているとさえ言えるかもしれません。
一方で、オールドリールは、個性的でおしゃれなルックスの物が多いです。
ジブリのアニメに釣りをする場面が出てきたら、描かれていそうなデザインです。
現在のリールは機械、オールドリールは道具と表現を分けられるくらいに、その見た目には差があります。
ルックスを重視する方にも、オールドタックルはお勧めです。
必要充分な性能。
現行のタックルと比べて、オールドタックルの性能が劣るのは当然のことです。
しかし、普通に魚を釣るという基本的な性能は、充分に充たしています。
オールドタックルが、よく喩えられるのが、自動車です。
オールドタックルは、マニュアルの普通車で、現在のタックルは、高級スポーツカーだなどと言われます。
近所のスーパーに買い物に行く時に、ちゃんと乗りこなせれば、どちらでも問題無くたどり着くことができます。
このように、正しく使いこなせば、どちらでも魚は普通に釣れます。
また、オールドタックルを正しく使いこなすためには、基本に忠実に正しく釣りをする能力が求められます。
逆に言えば、オールドタックルを扱えない人は、釣り具の基本的な扱いに、どこか間違っている部分があることが多く、現在のタックルを正しく扱い充分に性能を引き出すことはできないのではないでしょうか。
釣りを基礎からしっかり覚えたい人にも、オールドタックルはお勧めです。
オールドタックルは、反体制の象徴であり、ロックな道具である。
オールドタックルを使って魚を釣ることは、過度に商業的に走り、性能とうんちくばかりが先走る現在の釣り界の体制に、反逆的な釣りをすることにもなります。
金儲け主義に騙され、他人の意見に流され、無駄に高いものなんか買わなくても、自分の好きなもので、自分の釣りをして、良い釣りができるぜ、という主張をすることができます。
オールドタックルは、音楽で言えばロックミュージックなのです。
ギラギラした7万円のリールを使った人々が釣れない中で、古いリールをカリカリギーギー鳴らしながら魚を釣ることは、現在の釣り業界を否定し、ちょっと喧嘩を打っていることになり、パンクな行為でもあるのです。
ですから、人と同じことが嫌いな人や、反逆的な性格の人にも、オールドタックルはお勧めです。
以上のようなことに、少しでも興味を持たれた方は、まずは一つ気軽にオールドタックルに手を出されてみてはいかがでしょうか。
今までとは違った視点から、釣りが楽しめるようになるかもしれません。
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