釣りにゃんだろう

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古い釣りの本の釣果の写真が、ショボいことが多いのは何故か。

40年や50年前などは、この国には今よりも沢山の魚が居て、釣り人は今よりも少なかったはずです。
当然、今よりも良い釣果に恵まれるチャンスは多かったはずです。
しかし、その時代の本を見てみると、意外にもショボい釣果の写真が多いのです。
中には「これは今では無理だ」と悔しくなるような衝撃的な魚の写真が載っているものもありますが、だいたいは小さい魚の写真ばかりです。
これは一体どうしてなのでしょうか?

 

釣り方がショボかった。

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昔の釣り人よりも、現在の釣り人の方が道具も技術も上回っているのは間違いないでしょう。
現代の日本の釣りは、「数少ない魚をなんとしても釣る」という執念から異常に発達した超絶技法と言ってもよいものです。

それに比べて、昔は適当に釣りをしていても、まあまあ魚が釣れる時代だったので、あまり技術が求められなかったのかもしれません。

たまに、かなり年配の方が川でルアーで釣りをしているのを見かけますが、「重たいスプーンをドボンと投げ引いてくるだけ」という行為を永遠と繰り返していたりします。
「流れに対してそんな角度で引いてきても、ほとんどの時間はスプーンは泳いでないぞ」と思いながら、遠くから私は観察していますが、そんなことはお構い無しにひたすらそれを繰り返し続け、魚は一向に釣れていません。

これは極端な例かもしれませんが、昔の釣りは今よりも単純なものであり、今よりも魚が沢山居たからと言っても、その単純な技術の釣りでは、そこまで魚が沢山釣れなかったのかもしれません。

 

釣り方やシーズンが確立されていなかった。

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魚の生態というのは意外と分かっていないことだらけで、最近になって「どこでいつどうやって釣るのが良いのか」が確立されてきたものも少なくありません

昔は、ベストシーズンさえも分からず、今とは違う季節に効率の悪い釣りをしていたなんてこともあるのです。
また、釣り人がベストシーズンや釣り方などの情報を得るための手段が乏しく、各々が手探り状態で釣りをしていたのかもしれません。

 

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これは、特に海外に釣りに行った本などに目立つのですが、「なんでそんな時期に行っちゃったのかな」と今では思えるような時期に出かけていき、悲惨な目にあっていることが少なくありません。

このように、昔は「どこでいつどうやって釣るか」ということが確立されていなかったので、今より沢山魚が居ても、それほど釣れなかったのかもしれません。


写真が撮れなかった。

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現代ではデジタルカメラで、誰でも気軽にびっくりするくらい綺麗な写真が撮れてしまいます。

一方で、昔のフィルムカメラの時代では、ちゃんとピントが合っている写真を撮るだけでも技術が要り、またデジカメように気軽に何枚も撮りまくることもできませんでした。
釣りとカメラが両方上手という人は限られていたでしょうし、カメラマンを同行させた取材の瞬間に、ちょうど良い釣果に恵まれることもそう多くはなかったはずです。

そんなわけで、良い魚が釣れていても、ちゃんとした写真が残っていないのかもしれません。
魚拓や剥製などでは、沢山衝撃的なものが残っていますから、釣れても写真に残すことが難しかっただけである可能性があります。

 

 

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このような理由で、昔の釣りの本にはあまり凄い魚の写真が載っていないのではないでしょうか。
「タイムスリップできれば、現代の釣り具と釣方で昔の凄い魚を釣り、良い写真が撮れるのになぁ」と釣り人なら誰もが夢見てしまうものでしょうが、どうしたって叶わない夢なのです。