マスタッドというノルウェーのフックメーカーがありました。(まだ存在していますかね?)
ルアーやフライを70~80年代に始められた方達には、フックと言えばマスタッドというくらい、お馴染みの物だったのではないでしょうか。
今でも、オールドルアーの愛好家の中などには、古いマスタッドのフックにこだわって使っている人もいるようです。
そんなマスタッドのフックですが、おそらく当時は結構な高級品だったのではないでしょうか?
輸入品ということもあり、誰でもガンガン買いまくることができるものではなかったはずです。
また、海外でもおそらく一級品のフックとされていたはずです。開高健の小説でも高品質だとべた褒めされていましたから、当時のトップクラスの釣り針だったのでしょう。
そのマスタッドのフックを、現代になって見てみると、私はこう思ってしまいます。
「ちょっとショボいフックだな。大丈夫か?」
まず刺さりは、今時のガマカツやオーナーのフックに比べたらイマイチです。
強度も結構弱そうで、ちょっと無理をすれば、伸びたり折れたりしそうで怖いです。
当時の一級品であるはずのマスタッドのフックも、現代の日本のフックと比べてみると、こんなにショボい物に見えてきてしまうわけです。
それくらい、フックというものは、この何十年で進化したということなのでしょうね。
とは言っても、古いマスタッドのフックでも、使ってみれば今でも普通に魚は釣れるわけです。
ちょっと伸びやすいところはありますが、常識の範囲内で無理せず魚を引っ張るくらいなら大丈夫なことがほとんどです。
昔は、これで釣っていたのですから、まあ当たり前の話なのかもしれません。
それでも、なんだか不安だと思って、私はあまり使いたくなってしまいますから、マスタッドのフックの最盛期とは基準が違うくらいの性能の差が、釣り針というものにはあるのでしょう。
ちょっとよく分からない中国あたりのメーカーの格安フックだって、昔のマスタッドのフックよりはずっと良いものの気がします。
もうちょっと過剰なレベルまで、フックというものは高性能になってきているのかもしれませんが、伸びの少ないPEラインなどの使用でフックにかかる負担が増えてくる場面もありますし、何よりも魚との接点という最重要な部分ですから、どんなに高性能過ぎても悪いことはないのではないでしょうか。
どうしても、マスタッドの古いフックが使いたいなどという趣味があるわけではないのなら、フックには惜しみなくお金をかけて、現在の日本のメーカーの物をじゃんじゃん使うべきなのでしょう。
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