数年前の夏の早朝に伊豆の海岸を歩いていたら、近所の若者といった感じの人が岸壁からメタルジグを投げてがいました。
5,000円くらいのロッドとリールを使っていて、ルアーもダイソーのジグベイトのようでしたが、勢い良くルアーは飛んでいき、軽快に釣りをしていました。
あまりお金をかけずに、若者がこんな釣りができるのだから、良い時代になったものだと思っていると、魚が掛かりました。
小型の青物か何かだろうかと思いましたが、ドッボンと跳ねた魚体は黄金に輝いていて、シイラだとすぐに分かりました。
あまり大きくはなかったので、結構簡単に寄せてきて岸壁の上に抜き上げると、若者は嬉しそうに魚の尾っぽを持って帰っていきました。朝御飯にでもするんでしょうか。
シイラは、ハワイなんかだと結構食べると聞きますし、この釣りのシーンだけ切り取れば、南の島の暮らしのようでした。
それにしても、岸から簡単にシイラが釣れるとは、ちょっと驚いてしまいました。
私の中のイメージでは、シイラは夏場に船で沖に出てようやく釣れるものといった存在でしたから、散歩ついでのような釣りで岸から釣れるとはびっくりです。
子供の頃は岸からシイラを釣るなんてあまり聞かなかった気がしますから、昔よりも増えているのでしょうか。
テレビの釣り番組を見ていても、結構寒い時期にシイラが釣れたり、「そんな所にもシイラが居るんだ」というような水温が低そうな場所でシイラが釣れる場面が、近頃はよく見られます。
やはり、海水温の上昇などの影響か、昔よりもシイラの量が増えたり、生息域が拡がったりしているのではないでしょうか。
このまま地球が温かくなっていけば、「日本で海のルアーフィッシングといえばシイラ」という時代が来ないとも限らないかもしれません。
まあ、「それはそれで楽しいんじゃないの?」なんて私は思ってしまいますが、そうも言ってはいられない問題が山ほどあるはずですから、この星がちょっと困ったことになってきているのは事実のようですね。