釣りにゃんだろう

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釣り具の生涯保証。

海外メーカーのロッドには、生涯保証がついているものがあります。
これは、日本のメーカーではあまり見かけないものですが、海外メーカーのフライロッドなどでは、あたり前に見かけられます。

生涯保証とか永久保証というと、永遠にタダで修理してもらえると思ってしまう人もいるかもしれませんが、決してそういった意味ではありません。

基本的には、あらかじめ一定の修理額が定められていて、その額で修理または交換をしてくれるというものです。
そして、その保証には期限がないということです。

古くなり部品の調達などが困難になった場合には、同価格程度の新製品に交換となることもあるようです。

 

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壊れてしまうことがあっても、安めの定額で一生修理してもらえるということなのですから、一つのものを長く大切に使いたいと思うユーザー側にはメリットはあると思います。

一方で、メーカー側にはそれほどメリットはなさそうです。
たいして利益が出ないような値段で修理をし続けなくてはならず、その分新製品が売れなくなる可能性があるからです。

日本の大手メーカーは、このような保証は行っていないことがほとんどで、生産終了から何年かで修理も打ち切られます。

日本でも個人が販売しているような高価なロッドでは生涯保証がついている場合もありますが(それくらいしてくれなかったら、ぼったくりだろうというような価格)、海外メーカーでは、2万円以下のロッドでも生涯保証がついている物があるくらいですから、随分と物を売る姿勢が違う気がしてなりません。

 

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このような違いは、おそらく釣り具に対する、釣り人の考え方の違いからきているのだと思います。

日本の釣り人の多くは、常に最新の性能の良い物を求めている傾向が強いのだと思います。
ですから、何十年も一本のロッドを使う気はなく、壊れたら新しい物を買えば良いと思っているのだと思います。
そういった釣り人が買う物には、生涯保証などをつける必要はなく、メーカー側は適当に新製品を出し続けていればよいということになります。

一方で、海外では、そこまで細かな最新の性能の進化にはこだわらず、良い物を買って長く使おうと思っている人が多いのかもしれません。
そういった人達にとっては、生涯保証がついているかは、物選びの一つの基準になるのではないでしょうか。
その期待に応えるために、メーカーも生涯保証をつける必要があるのでしょう。

 

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次から次へと新しいモデルを出し、どんどんと買い換えてもらうのと、長く使える良い物を出し、それを手厚く保証する。

物を作ったり売る姿勢として、正しいのはどちらでしょうか。
どう考えても、後者の方だと思います。
しかし、よりお金がもうかるのは、どう考えても前者でしょう。

ですから、経済的な面を考えてみれば、真面目に物作りをするほど儲からなくなるということだと思います。
近頃は、中国メーカーなどが激安でそれなりに使えるような物をジャンジャン作れるようになってきましたし、いつまで生涯保証をするような、古き良き時代の釣り竿作りをするようなメーカーが生き残れるのか、もう分かったものではないと思います。