たまにトラウトフィッシングなどの川釣りで釣り人が流されて死亡する事故があると、「トラウトの人達はライジャケを着ないから」と、海釣りなどをする釣り人達から批判的な意見が寄せられることがあります。
このような意見が頻繁に聞かれるようになったということは、海釣りの世界ではかなりライフジャケットやフローティングベストを着用することが常識になっているのかもしれません。
昔と比べると、随分と安全面を考えて釣りをする人が増えているのですね。
それでは、川や湖でトラウトを釣る人達も、ライフジャケットを着用するべきかというと、私は微妙なところなのではないかと思います。
トラウト系の釣りをする我々は、ほぼ常時ウェーダーを履いて釣りをしています。
この状態で川に流されると、水がウェーダーの中に入り、足から浮く「犬神家状態」になり、瞬時にウェーダーを脱いだり破いたりしない限り、超危険な体勢になります。
一応水の侵入を防ぐためにベルトをしていることが多いですが、完全に身体が水没してしまえば、いくらでも水が入りほぼ無意味なはずです。
このような状態のところに、ライフジャケットを着るとどうなるのでしょうか。
多少はひっくり返るのを防ぐ効果はあるのでしょうが、しっかりと顔を出した状態で浮くのでしょうか。
水が入ったウェーダーの下半身を上にする力と、上半身を浮かそうとするライフジャケットの力と、どちらが勝つのかは微妙なところなのではないでしょうか。
実際にどんな体勢になるかは、流されてみないことには分からないくらい、その人の体型や水勢や水量の影響でも変わってきそうなものです。
ですから、ウェーダーを履いた状態でライフジャケットを着ても、無駄ではないのでしょうが、格段に安全面が向上するとは考えにくいです。
ライフジャケットを着用しているから助かることもあるにはあるかもしれませんが、あまり意味がないことも充分にありえそうです。
このように、ウェーダーを履いた状態でライフジャケットを着たところで、効果は未知数なようですから、着たい人は着ればよいし、着たくない人は着なくてもよいのではないかと、私は思ってしまいます。
何れにしても、大きな川でウェーダーを穿いて流されれば高確率で死ぬことは間違いないのですし、とにかく無理をしないなど注意して行動をすることが、ライフジャケットの着用以上に大切だと思います。