北海道には、エゾイワナと呼ばれるイワナが生息しています。
このエゾイワナが、川から海に降り育ったものがアメマスです。
このように成育環境により名称が区別されているものなのですが、釣りの場面では、あまり区別せずに、これらの魚は単にアメマスと呼ばれることが多いです。
これは一体どうしてなのでしょうか?
アメマスとエゾイワナの見分け方。
先程述べましたように、アメマスとエゾイワナの違いは、海に降りたことがあるかどうかです。
釣り人が、この違いを見分けるには、釣り場の環境と魚の形態から推測するしかありません。
まず、魚道のない堰堤やダムがあり、海と川とを魚が往来できない環境の川で釣れた魚であれば、それは間違いなくエゾイワナと言ってよいでしょう。
この考え方を基にすれば、湖で育った魚もエゾイワナということになりそうですが、湖で育った魚は海に降りた魚に似た容姿をしているので、アメマスと呼ばれています。
それでは、海と川を魚が往来できる環境の釣り場で釣れた魚は、どう区別すればいいのでしょうか。
アメマスは、川と海とを行ったり来たりしたりしていますし、川の上流にも下流にも姿を表しますから、釣れた地点などで判断することは難しいです。
釣り人が、簡単に判断するには、魚の見た目を頼りにするしかありません。
一般的には、アメマスは斑点が大きく、エゾイワナは小さいと言われています。
それから、アメマスはエゾイワナよりも大型になりやすいので、魚のサイズも判断する助けになります。
どっちだかよく分からない。
さて、このような基準で我々釣り人は、アメマスかエゾイワナか判断しているわけですが、正直判断に困るような魚が沢山釣れてきてしまいます。
斑点の大小で判断すると言っても、微妙な模様の魚がよく居るのです。
よく、アメマスは、眼の大きさより斑点が大きいなどと言われていますが、それがどこまで正しいのかも疑問です。
それから、体色の違いも混乱を招きます。
いかにも海から帰ってきたような青白いものも居ますし、いかにも茶色くイワナっぽい色でも、アメマスらしく巨大なものもいます。
このように、イワナの研究をしているわけでもない、我々一般の釣り人には、アメマスかエゾイワナか、ちょっと判断しかねる魚が、いくらでも釣れてしまうわけです。
そのため、釣り人はイワナかアメマスなどは、もう気にせずに、まとめてアメマスと呼んでしまうことも多いのでしょう。
ごく稀に、アメマスではなくイワナを釣りたいなどと、きっちりと区別している釣り人もいるようですが、大半の釣り人はこれらの違いを気にはしていません。
気にしだしてしまうと、いくらでも謎が浮かんできて、釣りどころではなくなるくらい奥深いのがイワナの世界のようですから、釣りに集中したい場合は、これで良いのかもしれませんね。