釣りにゃんだろう

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池の水が全部抜かれてしまう時代の雷魚釣り。

何やら池の水を全部抜く番組が、昨年あたりから話題になっていましたね。
池の水を抜いて外来種を駆除したりする番組です。
正直、私は見てもいられないほど、趣味の悪い番組だと思います。


池の水の中の外来種を駆除する必要があるのか?

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私が一番疑問に思うのは、ドブのような池の中に居る外来種を、わざわざ駆除する必要があるのか、という問題です。
漁などに影響があったりするなら分かりますが、自然の川や湖でもない閉鎖された池の中に、何が棲んでいようが、どうでも良いのではないでしょうか。
それをわざわざ弄くり回し、わざわざ命を奪う必要はないのではないでしょうか。

しかも、それを子供達に手伝わせたら、「外来種なら生き物を殺しても良い」という行き過ぎた民族主義のような考えを持たせてしまう可能性さえあります。

そもそも、先程自然の川や湖ではない池と言いましたが、この国に本当に自然の川や湖なんて呼べる場所は、ほぼないのではないでしょうか。
ぱっと見た目は、そこそこ緑に覆われた国ではありますが、実際にはどこまでも人間に弄り尽くされ、本当の自然なんてものは無いに等しい状態です。

自然を守ろう、環境を守ろう、生態系を守ろう、などと言う人がいますが、もう守るべきほどのものはこの国にはないはずです。

そんな場所になんとか生き物が居るだけでも儲けものなのですから、よほど切迫した理由がない限り、それを遺伝子が違うだとか外来種だからとかで、わざわざ殺す必要はないのではないでしょうか。
必要なのは、これ以上余計なものは逃がさない対策であって、他の水域に影響のなさそうな場所などは、もう静かに放っておいても問題ないのではないでしょうか。

 

 

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おそらく、そういった活動をしている人は、調査や研究や駆除関係でお金を得ようとしているか、ただ自分の主義主張を押し通しているだけでしょう。

もしも、そういったことを本当に行う必要がるなら、日本中の街の川を泳いでいる、一番身近に居て、一番居るべきではない魚である鯉が、なぜ野放しにされているのでしょうか?

もしも本当に生態系を気にするなら、自然にあまり影響の少ないような池の水を抜く前に、他にやることがあるのではないでしょうか。

このように、あの番組を見かけると、「日本の生態系ビジネス」はなんだかおかしいな、と次から次へと疑問が湧いてくるばかりです。


雷魚釣りをしている人は、どう見ているのだろうか。

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あの番組では、結構な頻度で雷魚が捕獲されることがあり、悪者的な紹介をされています。
あのような光景を見ると、雷魚釣りが好きな人はどう思っているのかな、と私は気になります。

雷魚という魚は、釣り場や生息数が減ってきているので、雷魚釣りが好きな人は、魚をとても大事に扱うことで有名です。
しかし、その大事に扱っている魚が、完全に悪者扱いされて捕獲されるのですから、あまり良い気分はしないのではないでしょうか。
そして、段々と追い詰められた気分になるのではないでしょうか。

 

雷魚釣りには、確実に魚を上げてリリースするために、過剰なほどのヘビータックルが使用されています。
そして、釣り場でそのようなヘビータックルを使用していないと、他の雷魚釣りをする人から怒られたとか殴られたとか竿を折られた、といったことがよく噂になっています。

世間から見れば悪者である雷魚をどうしようが釣った人の勝手なわけで、それを確実に釣ってリリースしないからといって、そういった暴挙に出るのは当然おかしいことでしょう。

しかし、彼らは追い詰められているのです。
自分の好きな魚が減り、釣り場が埋め立てられ、魚は悪者だとテレビで放送され続け、世の中のどこにも自分達に肯定的な場所がないのです。

 

そうなってくると、雷魚釣りをする人々は孤立し、小さな自分達だけの世界に閉じ籠り、思想が過激化し、中には先程のような暴挙に出てしまう人が出てきてしまう気持ちも、分からないではありません。

なんだか可哀相だなあ、と思うのですが、他のジャンルの釣りをする我々にも、これは他人ごとではないのかもしれません。

一般的に釣りの対象魚のほとんどが、全て天然物で自然繁殖で全てその土地固有の遺伝子を維持しているなんてことは、あまりありません。

このまま過剰な生態系至上主義や遺伝子至上主義や生態系ビジネスが進んでいけば、あなたが釣るのが好きな魚にも、いつその手がかかってくるか分からないからです。

ですから、釣り人なら誰でも、自分も雷魚釣りをする人のように追い詰められる可能性があることを、これからは覚悟しておかなければならないのかもしれません。