イトウという魚は、幻の魚などと呼ばれて珍しいものだとされていますから、水族館で仰々しく展示されていることも多いです。
それを見た来館者の人々は、「こんなに大きいのか」とか「初めて見た」とか関心することになるのでしょう。
しかし、自然のイトウを見たことのある釣り人達は、「なんか変じゃないか?」と思うことがあるはずです。
イトウって、こんな顔だっけ?
水族館で泳いでいるイトウというものは、ヘンテコな顔の形をしていることがあります。
顔が潰れているような形をしていて、とても自然界のイトウと同じ魚とは思えないので、釣り人達は違和感を覚えるのです。
どうしてこんなヘンテコな顔をしているのか、正確な理由は分かりませんが、おそらく水槽の中で長期間飼育されてきたのが原因ではないかと、私は思っています。
水槽や池で小さな段階から育てられていると、顔を壁にぶつける場面が多いのではないでしょうか。
餌を食べるのにも、水槽の壁を利用して食べているのかもしれません。
その結果、顔の潰れたヘンテコな魚が生まれるのかもしれません。
また、稚魚の段階からペレットなどを与えて育てると、養殖のニジマスなどと同じように、顔が丸く潰れたものになるという可能性も考えられます。
水族館でも養殖物ではなさそうな、川や湖から採ってきたイトウが展示されている場所では、ヘンテコな顔をした魚は見られません。
ですから、飼育環境が原因であることは間違いなさそうです。
さて、ここまでヘンテコだヘンテコだと繰り返し聞かされると、「じゃあ、本物の生きた自然のイトウを見てみたい」とお思いになる、魚好きの方もいるかもしれません。
そんな時は、釣りをしてみれば、一発で見ることができます。
イトウは、沢山生息している釣り場を選び良い時期に通えば、釣るのが難しいものでは、決してありません。
正直、関東あたりの渓流でヤマメを釣るよりも、数十倍簡単に釣ることができると思います。
釣りが初めてという人でも、釣れる可能性は充分にあると思います。
このように、釣りというものは、水族館などに行かなくても、自然の貴重な魚を見る機会を与えてくれるものなのです。
魚を釣って食べるだけが魚釣りの魅力ではないのですから、魚そのものが好きな人にも釣りはお薦めできる趣味だと思います。