先日ちらちらとテレビの釣り番組を見ていたら、メーカーのプロスタッフなる人が、衝撃的なスピニングロッドの持ち方をしていました。
リールのフットに指を一本もかけずに、全ての指でフォアグリップを握っていたのです。
たまに小指と薬指の間に挟む人が、テレビに出るような人の中にも居るとは聞いていましたが、ここまで変な握り方の人が居るとは驚きでした。
リールのフットに指をかけずに、リアグリップを握る持ち方を芸能人持ちと呼んだりしますが、それに匹敵するほど変な持ち方ではないでしょうか。
しかも、それを何をしているのかよく分かりませんがプロスタッフという身分の人が行っているのです。
「ロッドくらいちゃんと持ったらどうなんだ」と、私は思わずにはいられませんでした。
スピニングロッドの正しい持ち方。
大部分の釣り人の皆さんは、今さら聞く必要もないと思いますが、プロスタッフなんて人でも間違った持ち方をしていたので、念のためここでスピニングロッドの正しい持ち方を見てみましょう。
まず、リールのフットを中指と薬指の間に挟むように握ります。
親指はキャスト時には、ロッドのセンターに乗るようにします。こうすることで、バックスウィング時にロッドを安定させることができます。
ロッドを保持するのは、主に小指・薬指・親指の三つの指で行います。
手首の動きを妨げず、かつしっかりとロッドを保持することができます。
これがリールのフットを小指と薬指の間に挟んでロッドを持つと、小指と親指でロッドを持つことになり、不安定ですし、小指が痛くなることもあります。
このように実に合理的に考えられて、スピニングロッドの持ち方は決まっているのです。
変な持ち方をする人が居るのは何故なのか。
このように、スピニングロッドの持ち方は、正解は一つしかないようなものなのに、変な持ち方をしてしまう人が居るのは何故なのでしょうか。
まず、少し前の時代のリール(主に日本メーカーのもの)が、おかしなものだったことが考えられます。
一時期の国産リールは、ロッドを正しく持った時に、欧米人の大きな手で、ようやく人指し指がスプールに届くように設計されていました。
このようなリールを手の大きくない日本人が使う場合、正しくロッドを持ったのでは、人さし指がスプールに届きにくく、フェザリングを行うことができません。
人さし指をスプールにしっかりと届かせるためには、小指と薬指の間にリールのフットを挟んで持つしか方法がありません。
その持ち方に慣れてしまうと、リールの設計が改善されスプールとフットの位置が近くなっても、なかなか正しい持ち方に釣り人は戻れないため、今でも変なロッドの持ち方をする人がいるのかもしれません。
これは、完全にメーカーのミスでしょう。
私は、かなり手が小さい方ですが、古いヨーロッパ製のリールでは、ロッドを正しく持ってスプールに人指し指が届かないなんてことはありません。
ヨーロッパのメーカーが大昔からできていたことが、日本のメーカーにはできていなかったのです。
それでは、そういったリールの設計が不味かった時代に釣りをしていなかった人々の中にも、変なロッドの持ち方をしている人が居るのはどうしてなのでしょうか。
これはもう、釣り人側の不勉強や頭の足りなさが原因でしょう。
釣りを始める時に、ちゃんと道具の正しい使い方を調べれば、変なロッドの持ち方をするはずはないはずです。
また、どうすればしっかりと安定してキャストできるか考えれば、変なロッドの持ち方をするはずはないはずです。
そういったことが出来ずに、「これがいい」と自己流で済ませてしまった人々が、変なロッドの持ち方をしているのでしょう。
そういった人々は、物事を考えるだけの頭を持っていないのですから、いくら正しいロッドの持ち方が合理的だと言っても、なかなか理解できないでしょうし、「オレはこれがいい」と屁理屈を並べたりして、一向に正しいロッドの持ち方を学ぼうとしないのかもしれません。
以上のように考えてみると、スピニングロッドを正しく握らないということは、一部ではリールメーカーが原因であることもありますが、基本的にはその人の無知や無能さを表していて、とても恥ずかしいことと言えるかもしれません。
ひと目で分かることですし、一瞬で直せることです。
もしも変なロッドの持ち方をしている方が居らっしゃいましたら、すぐにでも矯正されることを強くお薦めしたいと思います。