釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

モンゴル家族旅行 ~Highway to Hell~

f:id:nyandaro:20180530184530j:plain

もう5年ほど前のことだろうか。
はじめてモンゴルに釣りに行った時のこと。

お金を節約するために、釣りのガイド会社を使わずモンゴル人の会社に頼み、国内線も利用せず、ひたすら陸路で丸一日と半日移動し、アルハンガイの釣り場に向かった。


メンバーは、運転手さんとガイドさんと調理のおばさん。
僕一人のために三人も人が着いてくるとは驚きだったけれど、それでも海外で釣りをするにしては、かなり安い旅行だった。

四人で、家族旅行でもしているかのように、ワーワーと騒ぎながら旅をして辿り着いた河原で、一緒に釣りをしたり、夜は焚火を囲んでウォッカを飲みかわし、テントで雪に降られながら何日も野宿をした。

 

f:id:nyandaro:20180530184634j:plain

 

そんな暮らしを何日も続けた帰り道、何時間も凸凹の大地を走り抜けて、ようやく舗装された道路に出た頃には、さすがにみなさんお疲れになったのか、口数も少なくなり、車の中は静けさに包まれていた。

ふと隣を見ると、おばさんがすーすーと寝息をたてている。
ふと助手席を覗き込むと、ガイドさんはうなだれて固まっている。
ふと運転席を眺めると、運転手さんはこくりこくりと揺れている。

スピードメーターの針は、130キロを超えたあたりを指し示している。

動く棺桶だな!
そう思いながら、僕は呑気に座っていた。

 

f:id:nyandaro:20180530184718j:plain

 

旅先で、事故にでもあって還らぬ人になるのは、そんなに悪いことでもないだろう。
帰ってからの日常の煩わしさも心配も抑鬱も、全て味わわずに済み、目の前に広がる好きなことの海に一瞬で溶けて、人生を終えることが出来るのだから。
そんな論理を頭の中で組み立てながら、猛スピードで突っ走るランドクルーザーのバックシートで、路面の凸凹のリズムに乗ってお尻を痛めていた。

 

f:id:nyandaro:20180530184750j:plain

幸い?、一分おきくらいに、運転手さんが目を覚ましたり、眠りに落ちたりを繰り返すうちに、大きめの町に辿り着き、給油タイムとなったので、まだ僕はくだらないニュースが溢れる2018年の日本で生きている。

youtu.be