群馬県の川や湖に逃がされているハコスチという種類のニジマスは、よく引いて釣り味が良いということで、近年とても人気を集めています。
冬季にニジマスを逃がす釣り場は全国的に年々増えていますが、この魚のお陰で群馬県は他県とは差別化できているからか、他の県と比べると釣り場が混雑しているような印象も受けます。
そんな状態になっているのですから、さぞかしハコスチは凄い魚なのだろうと思われるかもしれませんが、そうとも言い切れないと私は思います。
確かに、放流されてあまり月日の経過していないハコスチは、なかなかのファイトを見せます。
跳ねる、走る、簡単にはギブアップしないと、ニジマス本来の姿に近いような、釣り人を興奮させるだけの素晴らしい動きをします。
特に、大型のハコスチを利根川の本流で掛けたりすると、本当に養殖魚を釣っているのだろうかと疑いたくなるくらいの、なかなかの体験をすることができます。
ただし、これが放流から数ヶ月経過すると、元気がなくなることが多いようです。
何度か釣られて疲れてしまったのか、満足に食事が得られていないのか、冬の釣り場の水温が低すぎるのか、掛けてもろくに動かないような魚が増えてきます。
こうなってくると、釣れても楽しさは半減でしょうし、ただのちょっと見た目が派手な養殖ニジマス釣りになってしまいます。
ですから、この魚本来のファイトを実感したいのだったら、10月とか11月とか釣り場が解説された初期に行くべきなのではないでしょうか。
多少は追加放流された元気な魚もいるのでしょうが、12月終わりくらいからは、どの釣り場も疲れた魚が増えてくる傾向があるようですから、年内のうちに楽しむべき釣りだと思います。