夏頃のことだったでしょうか。
私は、父親を病院に送るために車に乗せて走っていました。
信号待ちで停車すると、すぐ横の駐車場に一台の四駆車が停まっていて、リアウィンドウには大きなgamakatuとステッカーが貼られていました。
それを見て、私は「鮎釣りかなぁ」と言いました。
ガマカツのステッカーを車に貼っているからといって、必ずしも鮎釣りファンとは限らないでしょうが、季節や土地柄を考えると、その車に乗っている人が鮎釣りファンではないかと、直感的に思ったのです。
すると、その直後に車の持ち主であろうスキンヘッドのおじさんが歩いてきて、ドアを開けて乗り込んでいきました。
そして、その人の着ているTシャツの背中には、大きく一文字、漢字で「鮎」と書いているではありませんか。
私が「ほら、やっぱり鮎だ」と笑いながら言うと、父親も大笑いしていましたが、やはり釣りをしていると、車の雰囲気だけなんかでも、どんなジャンルの釣りをしているか、なんとなく予想できるものなのですね。
それにしても、車にでっかくgamakatuと貼って、背中にはでっかく鮎と書かれた服を着るなんて、私にはとても恥ずかしくてできないのですが、釣り人のセンスというものは、一体どうなっているのでしょうか。
鮎釣りに限らず、ヘンテコな釣りのウェアを着た釣り人は、どこにでもいるもんですしね。
本当に釣り人というものは、存在そのものが恥ずかしくて仕方ないものだと思います。
まあ、そんな恥ずかしい状態になってしまっても、釣りの喜びといううものは何物にも代えがたいようなところがありますしね。
恥ずかしい人間になってしまうことは我慢してでも、やる価値はあるものかもしれません。