釣りにゃんだろう

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フライキャスティングの教本に見る、釣り人の低レベル化。

ここに2冊のフライキャスティングの教本があります。
一冊は2006年、もう一冊は1994年に出版されたものです。

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どちらも古本屋で200円~300円程度で買ってきたものですが、私の釣りに役立ったのは、圧倒的に古いものの方です。
それは、本の内容がかなり違うからです。

 

しっかりと説明されているのは、古い本。

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新しい方のものは、写真こそたっぷり使われていますが、古いものよりも圧倒的に文字が少なく、あまりしっかりとフライキャスティングの原理が論理的には書かれていません。

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一方で古いものの方は、しっかりと丁寧に論理的に説明されています。
少々読むのが面倒になるくらいですが、ちゃんと理解しながら読むと、今まで不思議に思っていたことなどが解決でき、みるみるキャスティングの距離も伸び、大変役立ったのです。

 

どうしてこうなった。

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このような点から考えれば、現在でもフライキャスティングの本を出版するなら、本来は古いもの程度の説明は必要なはずであり、写真ばかりの本では情報量が不十分で、あまり釣り人に役立つものではないと言えるのかもしれません。

それでも、写真ばかりの本が出版されているのは、近年の釣り人には文章を読んで理解できるだけの教養や学力というものがなく、論理的な本を出しても全く受け入れられないからだと思います。

これは、釣り人に限った話ではなく、現代の日本人には文章を理解したり、論理的な思考のできる人が、かなり減ってきている気がします。
おそらく、本を読んでしっかりと内容を理解できる人というのは、もう人口の10%くらいしかいないのではないでしょうか。
それくらい、この国の教育水準は低いですし、とんちんかんな人間ばかりになっていますし、それは釣り人にも当てはまることだと思います。

 

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それなりに論理的に考えなくては上達しないようなフライキャスティングの本が写真だらけになってしまったのは、読む側の問題だけではないかもしれません。
書く側である釣り人にも、ちゃんとした文章を書ける人は、減ってしまったのかもしれません。

この本ではありませんが、似たようなフライキャスティングを扱った本のアマゾンのレビューに、以前こんなことが書かれていたことがあります。
「あまりにも日本語が酷すぎて、文章がめちゃくちゃであり、途中で読むのを諦めた。こんな本は初めてだ」というようなことです。

この意見を100%信じるのも良くないでしょうが、他にも辛辣なレビューが目立っていたので、本当に酷い文章の本だったのかもしれません。

 

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このように、釣りの本を読む側にも書く側にも、まともに日本語を理解したり書くことのできる人間が、あまり居なくなってしまったのかもしれません。

「釣りは頭で考えるのではなく、体で覚えるからいいんだ」なんて言う人もいるかもしれませんが、どんなことでも最低限の原理などは理解する必要があり、そんなことを言っている時点で自身の知能の低さを、周囲に言い触らしているようなものだと思います。

釣り場や釣り具屋に居る人々の様子を見てみれば、このような考えが、あながち間違いではないのかもしれないと、お分かりいただけると思うのですが、いかがでしょうか?