釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

オールドリールの方が丈夫だという事実をどう考えるか。

21世紀の現在売っているリールと、20世紀に売られていたリール、どちらが丈夫かと聞かれたら、釣りをしたことのない人なら、現在売っているものだと答えるかもしれません。
しかし、少しでも釣りをした人なら、古いリールの方が丈夫だと知っているはずです。


構造がシンプルな物ほど長持ちする。

f:id:nyandaro:20190313221854j:plain

なぜ古いリールの方が丈夫かと言うと、古いリールの方が現在のリールよりも、ずっと単純な構造をしているからです。

単純な構造をしていて部品が少ない古いリールは、現在の精密機器のようなリールよりも、ずっと故障する可能性が少ないのです。

そして、故障したとしても、自分で分解して部品を替える程度で、簡単に直すことができます。

 

f:id:nyandaro:20190313222030j:plain

しかし、現在のリールではそうはいきません。
ちょっと故障すれば、メーカーに修理に出して、部品代と技術費をとられます。
また、故障しなくても性能を維持するためには、定期的にメーカーにメンテナンスに出さなくてはいけないそうです。

ここまでくると、同じ魚釣りに使うリールだというのに、古いリールと現在のリールは、全く違うもののような気がしてきます。

 


道具と機械。

f:id:nyandaro:20190313222055j:plain

古いリールが魚釣りに使う「道具」だとすれば、現在のリールは魚を釣る「機械」だと言えるほど、違うものなのではないでしょうか。

「道具」は、手入れして使えば、とても長持ちします。何十年も問題なく使えて、自分が死んでも子や孫の代まで使えてしまいます。
しかし、「機械」は、ちょっとしたことで狂いや不具合が生じ、その度にメーカーに金をとられ、その修理に使う部品も長くは作られず、10年以上使うことをメーカーは想定さえしていないようです。

長持ちして使えば使うほど愛着の湧く「道具」と、超高性能だけれど故障しやすい「機械」、どちらで魚を釣った方が楽しいでしょうか。
その答えは人それぞれでしょうが、私は、どこか人間くさい「道具」で釣った方が、より趣きがあって楽しいと思います。

 


そのような感情論は一切考慮されない世の中。

f:id:nyandaro:20190313222225j:plain


しかし、いくら私のように「道具」の方が好きだと言う釣り人がいたとしても、もう絶対にリールがシンプルな道具に戻ることはないでしょう。

この世は消費社会です。
物が次から次へと売れないと企業は困ります。
もしもリールが何十年も使えてしまったら、新しいリールが売れなくなって、シマノやダイワは困ってしまいます。
ですから、リールはより複雑にして、長持ちさせなくする必要があるのです。

複雑にして、ユーザーにはメンテナンスできないようにして、メンテナンス代をとる。
不具合が生じても、ユーザー自身で直せないないようにして修理費をとる。
何年か使うと、あまりに精密なものなので、どこかにガタがきて初期性能を維持できなくなるようにして買い換えさせる。

リールを高性能で複雑な「機械」にするほど、メーカーは安定して利益を得ることができるのです。
メーカーは慈善事業で釣り具を作っているのではないのですから、このようにするのは当然のことでしょう。

 


リールに見る社会の仕組み。

f:id:nyandaro:20190313222328j:plain

このような事実を理解して、自分達がメーカーの良いカモにされていると分かっていて、それでも高性能なものが欲しいと思い、現在の高級なリールを買っている人々には、もう何も言うことはないでしょう。
好きなだけ買って、世の中のお金を回し続ければ良いだけです。

けれども、どういうわけか、熱心にリールなどの高価な釣り具を次から次へと買う人々に限って、このような事実に気づいていないような気がしていません。
しかも、バカ高いリールを使っている人ほど、経済的に余裕があまりないような気配もあります。

 

これはおそらく、頭の良いお金持ちの人々は、メーカーが儲ける仕組みを理解していて、そこにわざわざ付き合うのも癪だなと思い、バカ高いリールは買わないのではないでしょうか。

逆に、頭が悪くてあまりお金を持っていない人々は、物事を深く考えないので、メーカーに言われるままに「スゲーリールだ、欲しい」と単純に考えて、ちょっと無理をしてでもバカ高いリールを買うのでしょう。

このように、釣り具会社というものは、ちょっとおバカで、それほどお金を持っていない人々によって支えられているのではないでしょうか。
そして、有名釣り具会社の社員の人は、高級リールを無理して買ってくれる人々よりは、良い給料を得ているのです。

 

f:id:nyandaro:20190313222459j:plain

今の世の中の仕組みでは、知能の差が給料の差になる可能性が高いと言われています。

リールを作っている会社とそれをお店で買う人間を眺めていても、確かにそうなのかもしれないな、と思わずにはいられません。

私は、どちらかと言うとこういった世の中に嫌気がさし、距離をとってのんびりとしたいので、釣りをしています。
ですから、現代のリールを買って、この世の中の仕組みに参加するわけにはいかないのです。
そんな理由もあって、いつもだいたいオールドリールをカリカリ鳴らしながら、人知れず釣りを楽しんでいます。