ルアーフィッシングをする上でラインを選ぶ時には、LB(ポンド)表示を基準にすることが多いのではないでしょうか。
しかし、よくその表示を見てみると、I.G.F.A.と書かれていたりいなかったり、lb test、lb overなど様々な表記がされています。
これらには、どのような違いがあるのか、今回は考えてみましょう。
IGFAの表示がある場合。
I.G.F.A. class、I.G.F.A. lb test、など、IGFAと表記されているラインがあります。
IGFAとは、国際ゲームフィッシュ協会のことで、魚種とラインの強度ごとに記録を認定・管理している団体です。
このような表示がしてあるラインは、「IGFAの記録申請に使えます」 という意味です。
記録申請に使えるということは、必ずその表示された強度で切れなくてはいけません。表示された強度よりも強かったら、記録を認めるわけにはいかなくなるからです。
ですから、IGFA表記のあるラインは、その表示が正しいのなら、「必ずその強度以下で切れる」という意味であり、簡単に言うと「表示されたlb数より確実に弱い」ということになります。
「何だかよく分からないけど、何かの基準をクリアしているのだから安心だ」と、IGFA表記のあるラインを選んでしまう人も釣り人の中にはいますが、この意味を知っていないと、期待しているより弱いラインを使うことになるかもしれません。
その強度以下で必ず切れるもので良いのですから、他の表示のラインよりも、細くつくられていることも多いのが、IGFA表示のあるラインの特徴でもあります。
lb test、lbなど 。
I.G.F.A.の表記がなく、lb testと書かれたラインもあります。
これらは、「テストした時にその強度あった」、「だいたいその強さだ」という意味です。ただ単に何ポンドと書かれているラインも、このような意味だと思います。
その強度が、テストした時の平均値をとったのか、最高値をとったのかによっても、強度は変わってくるでしょうが、だいたいは余裕を持たせて平均値が表示以上のものなのではないでしょうか。
メーカーによっては、最高値や平均値まで詳しく書かれているラインもあります。
このように考えば、同じlb表示でも、I.G.F.A.表記のあるものよりはこちらの方が強いはずで、表示された数字と同等かそれよりちょっと強いことになるはずです。
lb over。
近頃は、lb over(ポンドオーバー)という表記のラインもあります。
これは、その「表示lb以上の強さがある」という意味ですので、今まで紹介したものよりも強度があるはずです。
強度があるのですから、同じlb表示でも、他のラインより太いということもあります。
lb表示だけでなく、太さもチェック。
ここまで見てくると、ポンド表示の仕方によって、「その強度以下で必ず切れる」のか、「だいたいその強度があるのか」のか、「その数字より強度があるのか」の違いが分かってくるはずです。
ですから、自分の望んでいるラインの強度があるものなのかチェックするには、どのような表記がされているか、ラインのパッケージやメーカーのホームページをよく見てみるべきでしょう。
それから、その時にもう1つ注意しなくてはならないのは、ラインの太さ(直径)です。
これだけ様々な基準があり、ラインの性能の違いもあるのですから、同じlb表示でもラインの太さが製品によって違ってくることもあります。
いくら強度があっても、自分が使いたい太さよりもかなり太かったら困ってしまいます。
ですから、ラインを選ぶ時はlb表記と直径を必ずチェックするようにしましょう。
海外からラインを買う時の注意点。
ラインはアメリカなどの海外から買うと、安く大量に仕入れることができたりします。
しかし、アメリカのラインの表示は結んで引っ張った時の強度(結束強度)であり、日本の結束せずに引っ張った時の強度(直線強度)とは違う基準で書かれています。
当然、ラインは結んだ方が強度が落ちるので、同じlb表記でも、アメリカのラインの方が日本のラインよりもかなり太くなっています。
ですから、アメリカからラインを買う時には、太さを基準にして考えた方が、イメージ通りの買い物ができるはずです。
以上のように、ラインのlb表示1つをとっても、様々なパターンが存在して、ややこしい物となっています。ここにさらにPEなどの素材による違いも関わってくるのですから、釣りのラインはなかなか複雑な世界となっています。
「このラインは弱い」などと、安易なレビューをネットにあげている人々の中には、このような違いを理解していない人も少なからずいるようです。
ラインを選ぶ時は、そのような書き込みを信用せずに、lb表示の仕方や太さを自分でチェックして、どのような製品なのか確かめてみるべきでしょう。