魚が釣れた時に、フィッシュグリップなどと呼ばれる魚の口を挟み保持する道具を使うことがすっかりと定着してから、もう10年以上は経つでしょうか。
あれは、なかなかの発明品だったと思います。
釣り人は、釣り針の付いた魚の口や鋭い歯や刺などの危険な場所に触れる危険がなく、安全に魚を持つことができます。
魚側からしても、人間の手でベタベタと触られないで済みますから魚体が傷つきにくく、リリースされる場合には生存率も上がることでしょう。
つまり、釣り人にも魚にも優しい道具というわけなのです。
しかし、この便利な道具も使いようによっては、魚を傷つけまくる凶悪な道具になると思います。
バスや根魚などの口が丈夫で、昔から口を手で掴んでいたような魚は、フィッシュグリップで掴んで持ち上げても問題はないでしょう。
ただ、顎が強くなかったり、口が小さかったり柔らかいような魚を、フィッシュグリップで掴んで持ち上げるのは最悪な行為だと思います。
魚の顎が外れたり、グリップが口を貫通して裂けたりと、魚が大怪我をすることになりかねないからです。
代表的な例として、たまにトラウトの仲間なんかにもフィッシュグリップを使っている人を見かけますが、あれは中々の問題行為ですね。
そう大きくはない口に無理矢理グリップを突っ込まれて、口が伸びたり裂けたりして、見ていられないほど悲惨なことになっています。
リリースするのだったら、フィッシュグリップを使うべきではないでしょうし、ネットを使うべきでしょう。
トラウトの仲間でも、物凄く大きな魚ならフィッシュグリップで口を掴んでも大丈夫かもしれませんが、それにしても水中で水平に保持するために使う程度にして、持ち上げたり吊り上げたりしてはいけないと思います。
どうもこういった残虐な行為を行う人は、日頃から海で釣りをしていてフィッシュグリップを使うことに慣れている人に多いようですが、いつもの癖でトラウトの釣りでもフィッシュグリップを使ってしまうと、大ひんしゅくを買いかねませんから注意が必要だと思います。