釣りにゃんだろう

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釣魚のオークションサービス 「Fish Sale」の問題について。

釣った魚を売れるオークションサイトができると話題になっています。
もちろん、悪い意味で話題になっています。

この問題について、釣り人目線で考えてみましょう。


誰得なんだ?

まずはくわしい仕組みや法律上問題ないのかなどの検証は、こちらの記事をご覧ください。

nlab.itmedia.co.jp

 これを読んでみて思うのですが、法律をクリアしていたとしても、一体誰がこのサービスを利用するのでしょうか?誰が得をするのでしょうか?

魚をいっぱい釣った普通の釣り人が、出品してみたとします。
そんな鮮度や安全性も(放射線など…)よくわからない素人が扱っている生物を買おうと思う人は、世の中にほとんどいないでしょうから、落札価格はかなり安くなるはずです。

こうなると、運営側が得るのはわずかな手数料、出品者が手に入るのも微々たるお金、落札者は安くても安全性に疑問の残る魚が手に入るだけで、誰にも良いことがないことになります。


この仕組みで利益を出すには。

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この仕組みで出品者や運営側が大きく利益をだすには、魚を大量に出品するか、珍しい魚を出品するかしか方法はないと思います。

しかし、これらの方法は法律上問題がなくても、倫理的には許されない行動を伴うことが多くなるはずです。

まず、大量に魚を出品するためには、当然大量に魚を獲る必要が出てきます。

足し算や引き算のできる頭脳をお持ちの方なら分かると思いますが、魚はとった分だけいなくなります。
いくらかは自然に回復するものですが、大量に獲ってしまえば、その釣り場の環境に壊滅的な打撃を与えることになります。

例えば、魚の移動が少ない根魚などは、ちょっと釣り過ぎるとあっという間にその場所から居なくなってしまいます。
それから、北海道などで釣れまくるヤマメやオショロコマなどの渓流魚も、釣りまくればその川から、あっという間に姿を消してしまうものです。

 

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また、大量に魚を出品しなくても、珍しい魚なら食べてみたいと思う人がいて高値で売れるかもしれません。
珍しい魚は当然数が少ないのですから、こういった魚を獲ることも、その釣り場の環境に壊滅的な打撃を与えることになります。

このように魚を釣り尽くして、釣り場から絶滅させるような行為を助長しかねないのが、このオークションの仕組みなのではないでしょうか。

 
違法行為を行う人の出てくる可能性も。

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普通に魚を大量に釣りまくったり、珍しい魚を釣って持ち帰ってしまうだけなら、まだ良いかもしれません。
そのうちに、効率よく魚を獲るために、違法な漁法を行ったり、禁漁区や禁漁期間を守らなかったりする人が出てくるかもしれません。

北海道では、反社会的勢力が鮭を違法に獲り資金源にしているのは有名な話です。
これと似たような行為を素人が気軽に行えるようにしてしまう可能性があるのが、このオークションなのではないでしょうか。

 

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このオークションは、少し考えてみただけでも、これだけ危険な臭いのするサービスです。
幸い、世の中には問題視している人が多く、たくさんの釣り人も「これはどうなんだ」と声をあげているようです。
私は、意外と日本の釣り人はマトモだったんだなぁ、と珍しくホッとしてしまいました。
これだけ反発の多いこのサービスは、はたして本当に開始されるのでしょううか。