釣りにゃんだろう

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イトウ釣りをしていると、魚のサイズ感が狂う。

近頃は色々な魚を釣るようになってきたものの、私は釣りの中ではイトウ釣りが一番好きです。
ちょっと前は、他の魚を狙った釣りは滅多にやらないくらいだったので、「今後は他の釣りは一切してはいけない」と言われても、あまり困ったり落ち込んだりはしないと思います。

そんなわけで、未だにイトウを釣る機会が多いのですが、この釣りばかりしていると、ちょっと困ったことが生じます。
それは、魚のサイズ感覚のようなものが、おかしくなってしまうことです。

 

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イトウを釣っていて、70や80センチの魚が釣れても、「ああ…、まあまあか」といった感じで、嬉しいには違いないものの、はしゃぐほど喜ぶようなことではありません。

イトウばかり狙っていると、このようなサイズの基準の感覚が、すっかり身についてしまいます。

そのままの感覚で、他の釣りをしてしまうと、どうも喜びがあまり得られなくなってしまうのです。

 

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例えば、ニジマスやアメマスを釣っていて60センチ程度の魚が釣れても、なんだかまだまだ小さい魚の気がしてきて、あまり嬉しくないのです。

本来は結構良いサイズですし、喜ぶべきなのでしょうが、「小さいくないか?」と思って、さっさと逃がしてしまいたくなります。

これが、70や80センチだったら、さすがに目が覚めてサイズ感覚がリセットされ、「結構デカイな!」とはしゃぎたくなるはずですが、私にはそんなサイズは滅多に釣れません。
なんとなくイトウ釣りの感覚のまま他の釣りをしてしまい、感動が薄いもったいない釣りをしてしまうのです。

 

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さらに小さなヤマメなどの釣りは、出掛ける準備までしたのに、「釣れても30センチなんだよな。わざわざ行く必要があるのか?」と思って、釣りに行くのをやめてしまうことさえあります。

釣りは魚の大きさが全てではありませんし、それぞれの釣りにそれぞれの楽しみがあるはずです。
しかし、イトウの大きさというものは、そんな大事なことを忘れさせてしまうくらいインパクトがあるのかもしれません。

同じようなことは、他の大きな魚の釣りにも言えるかもしれません。
大物釣りばかりに夢中になっていると、魚の大きさばかりが気になるようになってしまい、他の釣りが素直に楽しめなくなってしまうことがあるのではないでしょうか。

 

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これは、とてももったいないことですし、釣れてくれる魚達にも失礼な気がしてきてしまいます。

ですから、私は最近たまに、意識的サイズ感覚をリセットするような釣りをすることにしています。

魚のあまり釣れない渓流などに行き、苦労しながら一日釣りをするのです。
そうして一匹の魚とようやく出会えた頃には、もう魚の大きさなんてどうでもよくなっていますし、手の平サイズの魚でも素直に喜べ、たまらなく愛しく感じるようになっています。

 

大きな魚ばかり求めるようになって、釣りがちょっと面白くなくなってきてしまったような時には、こんな方法は結構有効なのではないでしょうか。

釣りの難しさと小さな魚の美しさは、魚釣りは大きさが全てではないと、思い出させてくれるはずです。