昔から、釣りの本なんかでは、大きな魚の尾ビレを「うちわのようだ」と言うことがありますが、あれはなかなか的確な表現だと思います。
大きな魚の大きな尾ビレというものは、ただ大きいのではなく扇状に面積が広く、びっくりするくらいの迫力があります。
「こんなに大きいの?」と、日頃釣っていた通常サイズの魚と比べると、信じられないような迫力です。
でっかい扇状の物といったら、扇子かうちわあたりでしょうし、この驚きを他人に伝えようと思ったら、「うちわのようだ」と言うしかないと思います。
それにしても、この「うちわのような尾ビレ」ですが、魚のサイズが大きければ、必ず尾ビレもびっくりするほど大きいというわけではない気がします。
魚の生息環境とか、遺伝や成長具合も影響してくるのでしょうか。
大きな魚の中でも限られた個体だけ、うちわのようなびっくり尾ビレを持っている気がします。
そんな魚が釣れる場所は、国内ではそう多くはないわけですし、大事にしなくてはならないでしょう。
今でもたまに、見事なヒレを持った魚をキープしたり、剥製なんかにする人もいるようですが、どう考えてももったいないことです。
大きなヒレに育つ遺伝子をもった魚を川や湖に戻さないと、その子孫が途絶えてしまう可能性があるわけですし、もうびっくりするようなヒレを持った魚は釣れなくなってしまうかもしれません。
良い魚が釣れる場所ほど丁寧にリリースしないと、あっという間に、その環境は失われてしまうのではないでしょうか。
びっくりするような魚が釣れた時には、なんとしてもリリースするべきだと思います。