釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

顔も魚も盛る時代。

近頃は、タレントだろうと一般人だろうと、SNSなどには加工しまくった写真をアップするのがするの常識となっています。

人物の写真だったら、輪郭や体型を変えたりして盛るのが当たり前で、もう「誰ですか?」というレベルまで、現実とはかけ離れた姿になっている人も少なくありません。
風景の写真だって、やたら彩度を上げたり、広角で撮り雄大に見せたりして、現実以上に綺麗な写真が溢れています。

こういった写真で「盛る」という行為は、釣りの釣果の魚の写真でもよく見られます。

 

先日、ちょっと欲しい物があり、小さなフライショップのホームページを見ていたら、店主の釣果報告のようなページがありました。

とてもよく魚を釣る人のようで、沢山の魚の写真が載っていて関心してしまいましたし、どれもなかなか綺麗で良いサイズの魚ばかりで、ちょっと凄いなと思ってしまいました。

しかし、冷静になって考えてみると、そうでもないかもしれないと気づきました。

ほとんど全ての写真が、おそらくiPhoneあたりのスマホのカメラの広角モードで撮られているようだったからです。

このように撮られ写真は、遠近感が強調されるため、現実よりもかなり魚が大きく見えます。
また、彩度も上げまくられて、より綺麗で立派な魚にも見えます。

 

その誇張具合を引き算して冷静に判断してみると、実際にはそこまで大きくも立派でもない魚が多いことに気づいたのです。

私は、多少は写真の知識がありますから、カメラで撮った写真かスマホで撮った写真かは、だいたい一瞬で分かりますし、こうした「盛っている写真」にもすぐに気がつきます。

しかし、世の中には写真の知識がない人が沢山いるでしょうし、見たままの迫力を信じて、「凄い魚ばかりだなぁ」と思ってしまう人もいるかもしれません。

もしも、その迫力に注目されてお客を呼ぶ効果があるとすれば、詐欺に近いようなものなのではないでしょうか。
あまりにも盛られた写真というものは、現実とはかけ離れていますし、ほぼ嘘のようなものなのですから。

 

写真という言葉には、「真実を写す」という漢字が使われていますが、近頃の盛られまくった写真というものは、はたして真実を写していると言えるのでしょうか。
全くもってそんなものではないと私は思ってしまいますし、もう写真と呼ぶには無理があるとも思います。

ああいったものは、写真ではなく画像と呼ぶべきだと私は思うのですが。

釣りの世界にも溢れている、そんな嘘のような写真をいちいち信じていると、メーカーやお店なんかに余計な物を買わされてしまう可能性がありますから、釣果の写真などを見る時には、少し疑う目を持つことを、私はオススメしたいと思います。