釣りにゃんだろう

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サケ科魚類の釣りは終わりが近い説。

私は、今年の6月に数年前から延期になっていたモンゴル釣行に出かけていたのですが、なんと一匹も魚が釣れない完全ボウズという結果でした。

骨折者2名、負傷者多数、その他ここでは公にできないヤバい危険なことがいくらでもあり、旅自体は冒険度マックスで過去最高に楽しかったのですが、釣果はぶっちぎりで過去最低でした。

 

他の釣り人を優先して釣らせていたということもありますが、ほぼ人間が立ち入っていないような僻地まで行き釣りをしたのに、外道のレノックさえ釣れなかったのは衝撃です。

それに、私だけが特別魚が釣れなかったわけではなく、手つかずの状態の川に毎日ルアーを投げている人達もほぼ魚が釣れず、4、5日に一匹中型のタイメンが釣れるだけという感じでした。
唯一、深い淵でモンゴルでは違法行為であるエ◯釣りをした人に140センチオーバーの魚が釣れましたが、それもペチャンコの魚体でコンディションが悪く「最後の一匹だったのでは?」という感じで、その後はご法度のエサ釣りにさえろくに魚が釣れていませんでした。

以前同じ川に来た10年ほど前と比べてみると、釣れる魚の数は10分の1程度に減っていたのです。
正直、日本の川の方がずっとよく魚が釣れるレベルでした。

 

どうしてこのような結果になったのか考えてみると、まずは気温が高過ぎたのが原因のような気がします。

残雪の残るような結構標高が高い土地であり、昔は6月でもジャケットを着て釣りをしていたものですが、今はTシャツ1枚でもちょっと歩くと汗だくになるくらい暑いのです。

水温もちょっと高い気がしましたし、強烈な日差しが差し込む日中は、どうしようもなく魚の活性が低く、魚が釣れないようでした。
その証拠に、魚が釣れたのは、全て天気が悪く、ちょっと気温が下がったような瞬間だけでした。

数年前の6月に他の川に行った時にも、今回ほど酷くはないものの似たような状況でしたから、温暖化が進んでいて、もう6月の日中に魚を釣るのは難しいのかもしれません。

 

それでは、雪が降り始める9月あたりの涼しい時期に行けば釣れるのではないかというと、ちょっとそれも怪しい気がします。
気温や水温が高いだけでなく、そもそもが魚が減っているとしか思えないからです。

実際に、入国制限や隔離などがあっただろうに去年の9月にも釣りに来たという猛者に会いましたが、釣果の方は芳しくなかったようです。

 

6月の時点でこのような高温になることが増えているということは、おそらく真夏にはもっと暑くなることもあり、そこに雨が降らない年があったりして、去年の日本の北海道と同じように、高水温で魚が死んでしまうようなことが起きている可能性も考えられます。

ずっと現地にいるわけではないので、これが正しいのかは分かりませんが、魚の釣れなさ、魚の少なさ、過去と比べての異常な気温の高さなどから考えると、魚が死ぬ現象が起きている可能性は高いと思います。

 

こうなってくると、もうわざわざ釣りに行くような土地ではないと、私は思ってしまいます。
6月に同じ2週間釣りをするのだったら、北海道の川に行った方が、ずっと有意義な時間が過ごせるとしか思えません。

ちょっと用事はあるので、モンゴルに行くことはまだあるかもしれませんが、わざわざ釣りだけのために行くのは、もうどうかなと思っています。

それから、このような冷水性の魚が釣れなくなる現象は、温暖化が進む昨今では世界的に起こっているのではないかとも思われます。

 

例えば、最近でもヨーロッパでは連日40度を軽く超す気温になっていますし、あんな状態ではマスの仲間は死にまくっているのではないでしょうか。

日本でも、去年の夏は北海道で高水温により、魚が死にまくりましたし、今後も同じようなことが起きることは増えてくると思います。

こう考えてみると、世界的にマスやイワナやイトウといったサケ科の魚を釣ることが難しくなる日も、そう遠くはないのかもしれません。

 

日本ではこういった釣りは、トラウトフィッシングとまとめられることが多いですが、川で天然の魚を釣るのは不可能なようになり、トラウトフィッシングと言ったら100%管理釣り場でやるものとなる時代は、意外とすぐそこまで来ているのではないでしょうか。

ですから、もし「今は仕事を頑張って、そのうちやろう」などと、この種の釣りを後回しにしている人がいたら、それは良い考えではないかもしれません。
何年か経つうちにどんどん魚は減り、のんびり釣りができるようになった頃には、絶滅しているかもしれないのですから。

「サケ科の魚釣りは、老後の楽しみにはできない」

今まさに、そういった時代になってきたのだと思います。