日本のルアー釣りには、ダブルヒットという言葉があります。
この言葉、よくよく考えてみると、日本語では二つの異なる意味を持っているものです。
ダブルヒットとは。
ダブルヒットとはどういう意味?と聞かれた時に、誰でも真っ先に思い浮かべる答えは、「二人の釣り人が同時に釣れるという現象」ということでしょう。
私は、あまり他人と釣りをしませんので、今までこのダブルヒットというものを多くは体験したことはありませんが、魚が群れている絶好のポイントだったり、魚の食いのたっているタイミングであった場合には、よく起こることなのではないでしょうか。
実際に経験したことのある釣り人も、沢山いるはずです。
この二人の人が同時に釣れるという意味のダブルヒット以外にも、もうひとつルアーフィッシングにはダブルヒットと呼ぶ現象があります。
それは、一つのルアーで二匹の魚が同時に釣れるという現象です。
プラグなど二つ以上のフックが付いているルアーに、二匹の魚が掛かることも、ダブルヒットと呼ばれています。(英語ではダブルストライクと言うらしいです。)
こちらのダブルヒットというものは、結構貴重な現象であり、なかなかお目に掛かれる機会はなさそうです。
しかも、私はあまりプラグを使わないため、ルアーにシングルフック一つしか付いていないことが多く、物理的にダブルヒットは不可能なことがほとんどのため、いまだにこの現象に遭遇したことはありません。
あまり遭遇できない現象だからか、動画や写真などで、このダブルヒットの場面があると、やらせだとか疑う人もいるものです。
しかし、私はこのダブルヒットは、充分に起こりうるものであり、多くはやらせなどではないと思っています。
私は、ダブルヒットは経験したことはありませんが、フックが一つしかないルアーやフライで魚をヒットさせると、もう一匹魚が突然現れて、ヒットしている魚からルアーやフライを横取りするような行動をとる場面に遭遇したことは、何度かあります。
ヒットしている魚の口のあたりに、ガツンガツンと食いつくなんてこともありましたから、もしもこの時にプラグのような複数のフックのついたルアーだったら、食いついてきた魚も掛かってしまうことがあっても不思議ではありません。
ですから、こちらの意味のダブルヒットも充分あり得る現象だとお思いますし、その様子を伝える動画や写真を端からヤラセだとか疑ってはいけないと思うのです。
そして、よくよく考えてみると、こちらの意味のダブルヒットも、魚が複数居るポイントで、食いのたっているタイミングでしか、起こらない現象のような気がします。
ですから、二人の人が同時に釣れるダブルヒットの起こるような場所では、一つのルアーで二匹釣れるダブルヒットが起こる可能性も高くなると言えそうです。
できることなら、いつでもそのような希望に満ちたポイントで釣りをしたいものだな、と思うわけですが、まあそう上手くはいかないものですよね。
魚が一匹でも居れば御の字ということが、この国の釣りでは珍しくないことなのですから。