20年くらい前の本などを読んでみると、中禅寺湖は9月になると、夏の間上がりっぱなしだった気温や水温がぐっと下がり、禁漁までよく魚が釣れるというようなことが書いてあります。
これは、今ではどうなんでしょうね。
年々残暑が厳しくなっていますし、9月でも手を水に浸けた瞬間に「こりゃお湯だわ」と思うような水温なことがほとんどなのではないでしょうか。
そんな状態のまま禁漁をむかえることも多いわけで、昔のように「9月ともなれば山の上はもう秋」といった具合に魚は釣れないのだと思います。
それでは、もう9月は釣れないのかというと、そうでもないようですね。
特にルアーでは、昔とは比べものにならないくらい、遠く深い場所を釣れるようになりましたから、高水温でもよく釣れているようです。
フライでも、ルアーよりは不利ながらも、あれこれと工夫して釣っている人もいるようです。
水温は昔のように下がらなくなってしまいましたが、釣り具や釣り方が進化したために、なんとか釣りはできているといった状態なのかもしれません。
ただ、こういった高水温の状態で無理矢理釣るような釣りが楽しいかどうかは、大いに疑問であります。
やはりトラウトの仲間は、冷水性の魚なのですし、明らかに適水温を越えているような状態で釣ろうとすれば、ちょっと普通ではない釣り方になるでしょうし、釣られる魚にもかなり負担がかかるはずです。
そういった釣りをするのだったら、川に釣りに行くとか、もっと涼しい地方に釣りに行くとか、他の釣りをした方が楽しいのではないかと、私は思ってしまいます。
中禅寺湖が大好きで、他の釣り場では絶対に釣りをしたくないというような場合以外は、わざわざ夏以降に釣りに行くことはないのではないでしょうか。