たまにインターネット上で、インスプールのカーディナルのハンドルノブやサイドカバーを、鹿角製や木製のものに交換している画像を見かけます。
私は、カーディナルをあのようにカスタマイズすることについて、どうなんだろうかとかなり懐疑的です。
機能的に良くない。
まず、ハンドルノブを木製や鹿角製の物に交換することは、機能的に良いことではありません。
カーディナルに使われている昔のアブの樹脂製のハンドルノブというものは、軽くて握りやすく回しやすく、さらに滑りにくく、そのままでも素晴らしい、完成されたものです。
それを、わざわざ濡れると滑りやすく重い木製の物や鹿角製の物に変えるなんて、基本設計が優れているというオールドリールの魅力を無視して、潰すような行為だと思います。
サイドカバーを木製の物に変えるのは、もっと機能的に良くないことだと思います。
サイドカバーはただの蓋ではありますが、かなり柔らかい素材である木製にしてしまうのは、ちょっとマズいんじゃないでしょうか。
優れた素材で頑丈に作られていたカーディナルというリールの元の姿を、ぶち壊しにするような行為だと思います。
見た目も良くない。
木製や鹿角製のパーツでカーディナルをカスタマイズする人は、その方が見た目が美しいからと思ってカスタマイズすることが多いかもしれません。
好みやセンスというものは人それぞれですから、何とも言えないのかもしれませんが、一般的に考えてカスタマイズされたリールって、本当に美しいでしょうか?
世間では「下品なカーディナル」という言葉があるらしいです。
これは、パーツを交換しまくって、ごちゃごちゃとした見た目になってしまったカーディナルのことを指しているようです。
確かに言われてみると、パーツがやたら交換されたリールというものは、リールそのもののデザインや美しさがぶち壊されていて、「下品」と呼びたくなる人達の気持ちも分かる気がします。
カスタマイズをしている人達のセンスからすれば、「より美しくなった」ということなのでしょうが、私はそのセンスを疑ってしまいたくなります。
以上のように、カーディナルをやたらとカスタマイズすることは、あまり良くないのではないかと、私は思っています。
そんな部品に高額のお金を注ぎ込むのなら、そのお金で釣りに行って、少しでも沢山そのリールで魚を釣ってあげた方が、リールがこの世に生まれてきた意味があったというものではないでしょうか。
カーディナルに限らずリールというものは、あまりにカスタマイズしてしまうと、「やり過ぎ感」が出てきてしまい、下品な感じになってしまうので注意が必要だと思います。