数年前からキャンプが大流行して、キャンプ用品が売れまくっていましたが、近頃はガクッとやる人が減って、落ち着いてきているらしいというのは有名な話です。
釣りも基本的には、同じような傾向があるようですが、キャンプほど急激にやる人が減っている印象は受けません。
どうも流行りに乗って始めた人が、今でも結構しぶとく続けているようです。
このように、キャンプと釣りに違いが出ているのは、どちらも同じアウトドアアクティビティながら、その性格がちょっと違うからだと思います。
キャンプというものは、基本的には「くそっ!」と地面を叩いて悔しくなるような挫折は、まずないのではないでしょうか。
計画していた料理や焚き火なんかが、ちょっとうまくいかなかったというくらいの失敗はあるでしょうが、テントをぶっ壊してしまいたくなるくらい頭にくる失敗はないでしょう。
これに対して、釣りというものは失敗の連続ですし、釣れなかったり魚をとり逃がした時には、とんでもなく頭にきたり、この世の終わりのように絶望したりします。
そして、そんな挫折を乗り越えた後に魚が釣れた時には、叫んでしまいたくなるくらいの爆発的な喜びがあります。
大きな挫折がないキャンプというものには、テントが建てられたからといって絶叫して喜んでいる人がいないように、こんな爆発的な喜びはないでしょうし、それだけ中毒性が弱い気がします。
大きな挫折と爆発的な喜びがある釣りには、ちょっとギャンブルに近いような中毒性がありますから、それだけ一度始めたらやめられない人も多いのではないでしょうか。
キャンプというものは、それほど新しい展開もないと思います。
新しい道具を使ってみようとか、どこかのキャンプ場に行ってみようといった程度の変化しか、続けていてもないでしょう。
それに比べると、釣りというものは、より大きな魚、新たな種類の魚と、次から次へと目標ができて、一生満足できないような底無しの欲が溢れてくるものです。
こういった貪欲さも、釣りの方がやめられない理由かもしれません。
一生やめられないような趣味があることは幸せなことかどうか、私にはよく分かりません。
長いこと釣りをしていると、どこまでも散財したり、まともに働けなくなったり、人生が狂ってしまうことがよくあるからです。
それよりかは、流行りのキャンプをちょっとやって、飽きたら道具を売ってやめるくらいの方が、ずっと健康的ではないでしょうか。
趣味というものは、ブームが来て終わるくらいのものが、マトモな人生を送りたいのなら、ちょうど良いのかもしれませんね。