私は、飽きっぽく諦めが早い性格なので、釣りをしていても、すぐに「ここはダメだな」とか「今日はダメだな」とか考えだしてしまい、あまり長い時間集中して釣りをすることができません。
ところが、近頃フライフィッシングばかりしていたら、かなり長い時間集中して釣りをしていて「もうこんな時間か」と思うようなことが増えていることに気がつきました。
これは、フライの方がルアーよりも、同じ範囲を釣ろうと思うと、時間がかかることが原因だと思います。
フライフィッシングには、様々なキャスト方法がありますが、どんな方法でも一回キャストするためにかかる時間は、ルアーよりも長くなるはずです。
そして、キャストしてからも、フライを流すにしても沈めるにしても引っ張るにしても、ほとんどの場合でルアーよりも時間がかかります。
このような釣りなので、「ここからあそこまで釣りをしよう」と思った時に、どうしたってルアーよりも所要時間が長くなるはずです。
ルアーで早いテンポで釣っていくと、あっという間に広範囲に投げ終わってしまい（実際にはまだまだ攻めきれていなくても）、私は飽きて「もうダメだな」とすぐに諦めてしまうのだと思います。
ところがフライだと、釣りのスピードが遅くなり、なかなか広範囲に釣れませんから、一生懸命一つ一つの動作に集中してこなしているうちに、あっという間に時間が過ぎていくように感じるのだと思います。
こう考えてみると、釣りの効率という面では、ルアーの方が優れているのかもしれませんが、やることが沢山あって一日集中して釣り続けられるという面では、フライの方が優れているのかもしれません。
私は、ルアーで釣りをしていると日が傾きだした頃には諦めて、釣りを止めてしまうことが多かったですが、フライだと「まだまだやることはある。最後までやろう」と暗くなりだすまで頑張れます。
ルアーよりも効率の悪い釣りだとしても、釣り場に立っている時間は増えるのですから、それによってチャンスが増えることもあるのではないでしょうか。
ただし、こうして丸一日フライで釣りをしていると、かなり疲れます。
どんなキャスト方法をとるにしても、ルアーで釣りよりも運動量は増えますし、ロッドも長いことが多く、地味に体力が奪われます。
また、ルアーよりも深く立ち込むことも多く、川を下るにしても上るにしても、結構体力を使います。
私は、毎日釣りのために走ったり、軽く筋トレをしていますが、それでもフライで丸一日12時間ほど釣りをすると、「ちょっと疲れたな」と思ってぐったりしてしまいます。
昔、休んでばかりでなかなか釣りをしないフライのオジサン達を見かけては、「なんで釣りをしないのか」と不思議に思っていましたが、あれはチャンスタイムだけ狙っていたということもあるかもしれませんが、基本的には体力的な問題で一日中釣りをするのが無理だったからなのではないかと、今では思っています。
私も体力が衰えれば、のんびり休み休み釣りをするような釣り老人になるのかもしれません。
しかし、まだまだ身体は元気ですし、しっかり毎日体力面の準備をして釣りをすることが好きですから、今しばらくは、へとへとになるまで頑張る釣りを続けたいと思っています。
