昔からマンガや絵本などでは、「トホホ…」な釣りの場面として、長靴が釣れる描写がよくあります。
それだけ釣りをしていると、長靴が釣れるということは昔から多かったのかもしれませんが、まだ私は長靴を釣ったことはありません。
しかし、靴やサンダルなんかは本当によく川に落ちていますから、長靴だって釣れないはずはないと思い、いつか幻の魚である長靴を釣ることを夢見ています。
そんなわけで、私はまだ長靴を釣るという夢を叶えられてはいないのですが、もっと巨大なゴミだったら釣ったことがあります。
その大物とは、自転車です。
見事にフッキングが決まった時には、全く動く気配がなく沈木か何かかと思いましたが、ラインを手で引っ張ると微妙に動きました。
私は、強度に余裕があるラインを使っていることが多いので、かなりの巨大な物でも、引っ張って動く物ならゆっくりと寄せてくることができます。
グーっとラインを慎重に引っ張り、やっとのことで川底から獲物の正体が浮かび上がってくるのが見えました。
自転車の車輪のスポークに綺麗にフッキングしていたので、手を伸ばしてフックを外しリリースすると、自転車は再び川底に消えていきました。
本当は釣り場のゴミは持ち帰るべきなのでしょうが、さすがに自転車を持ち帰るというのは、ちょっと無理なのでリリースするしかなかったですね。
今では良い魚礁のようになっているかもしれませんが、決して良い行いではなかったと思っています。
まあ、そもそもが自転車を川に捨てた人が一番悪いわけですが、こういった人は今でも沢山いるようです。
「ゴミは川や海に捨てるのが常識」というような場所は、田舎にはまだまだ沢山ありますし、これからも自転車が釣れるようなことはあると思います。
本当に困ったことですが、こればっかりは、人間が川の側に住んでいる限り、どうしようもないのかもしれません。
釣りをしていると、こういった人間達の恥ずかしく情けない部分が見えてくることがよくありますから、なんとも嫌なものです。