トラウトフィッシングに使われるルアーのスプーンは、渓流などのいわゆるネイティブ用と管理釣り場用に基本的に別れています。
多くの釣り人のみなさんが、この分類を守り、両者を使い分けているのではないでしょうか。
そんな中で、私は前から考えていたことがあります。
管理釣り場用のスプーンでは、渓流で釣れないのか、ということです。
管釣り用スプーンとネイティブ用スプーンの違い。
まず、管理釣り場用のスプーンとネイティブ用のスプーンは、何が違うのでしょうか。
大きさや形状やアクションは両者とも様々なものがあるとして、一番違うのはカラー(色)でしょう。
ネイティブ用は、ゴールドやシルバーのものがほとんどで、管理釣り場用はゴールドやシルバーのものもありますが、ほとんどがソリッドカラーのものとなっています。
管理釣り場というシビアなフィールドでは、金や銀の派手なルアーにはすぐにスレてしまったり、微妙なカラーの違いで釣果に差が出たりもします。
また、管理釣り場の魚は、ペレットというキラキラしていない地味な色の餌を食べて育っているので、ソリッドカラーのルアーの方がよく釣れるということも考えられます。
このような理由で、管理釣り場用のスプーンはソリッドカラーをしているのだと思います。
管釣りスプーンは、渓流で釣れるか。
それでは、このようなソリッドカラーの管理釣り場用のスプーンを、自然の渓流などで使ったら釣れないのでしょうか?
自然の魚だって、昆虫類を食べることが多く、キラキラしたものばかり食べているわけではありません。
むしろ、管釣り用スプーンの方が、餌に近い色のような気もします。
管釣り用スプーンは、流れの中での操作性も良く、アクションも十分に釣れそうです。
こう考えてみると、結構イケる気がしてきます。
そこで私は、何度か渓流で管釣り用スプーンを投げてみたことがあるのですが、どうも反応がよくありません。
一匹も釣れたことがありませんし、その後に金や銀のネイティブ用のスプーンに交換すると、すぐに魚が釣れることもありました。
やはり、自然の魚には、地味なカラーの管釣りスプーンでは、ちょっとアピール力が足りないのでしょうか。
ちょっとよく分からないところではあります。
管釣りスプーンで渓流で釣れまくっている例。
そんな中、先日こちらの動画を見ていたら、渓流釣りに管理釣り場用のスプーンを使用していました。
こちらの方は、釣り動画というより、ちょっと変わったアウトドアの動画を配信される群馬の方でなかなか面白いので、釣り動画の嫌いな私でも定期的にチェックしていたのです。
さて、この群馬のソータローさんが、タックルベリーで100円で買ったというボロボロの管理釣り場用のグリーンのスプーンを渓流で投げたところ、次から次へとヤマメが反応しているではありませんか。
この方は、以前は餌釣りでヤマメを釣っていたのですが、それを凌ぐ勢いです。
これは、一体どうしたことなのでしょうか、私には管釣りスプーンでは釣れなかったのに、ソータローさんは釣りまくっています。
やはり、私が釣りが下手なだけなのでしょうか。
管釣り用スプーンが有効な渓流。
その可能性もあるでしょうが、よくよく考えてみれば、私とソータローさんが管釣りスプーンを投げたのは同じ渓流でも、かなり環境が違うのです。
私が試してみたのは、北海道の渓流であり、一切魚が放流されていない、100%ネイティブのフィールドです。
一方でソータローさんが釣りをしていた群馬の渓流は、釣れた魚体から察するに、盛んに稚魚や成魚が放流されているフィールドのようです。
このように放流魚が多い釣り場でなら、そこに居る魚は管理釣り場の魚に近い性質のものであり、管理釣り場用のスプーンは有効になるということなのではないでしょうか。
考えてみれば、放流魚がメインであるという渓流は、日本中に沢山あるはずです。
釣りが好きな人達は、そういった場所では、管理釣り場用とは違うルアーを使って、カッコつけているようなところがあるのではないでしょうか。
実際には、ソータローさんのように、気取らずに気軽に管理釣り場用のスプーンを投げてしまった方が、よく釣れるなんてこともあるのかもしれません。
今後、私も放流魚の多い川に行くような機会があれば、気取らずにカラシ色や黒色のスプーンを投げてみたいと思っています。