たまに釣りをしていると、「釣れたかーい?」などと、フランクに話しかけてくる人がいます。
あまり釣りをしなさそうな通りがかりのおっさんのような人なら、適当にあしらっておけば良いのですが、これがガチで釣りをしている感じの人だと、どう答えるべきか悩むことになります。
釣れていなければ問題ない。
まず、「釣れましたか?」と聞かれた時に、釣れていなければ、こんなに楽な話はありません。
「全然ダメですね~」と答えて、早々に会話を切り上げることができるからです。
しかし、結構良い釣りができていた場合には、これを正直に言うべきか、少し検討する余地がでてきます。
魚が釣れていると嬉しくて、ついつい「釣れたよ」と言いたくなってしまうものですが、これは結構危険な行為のはずです。
恐ろしいほどの情報伝達速度。
まず、聞いたその人に「ここはいいポイントなのか!」とバレてしまいます。
それから、もしその人が他人にその場所の話をしたら、そこから無限に不特定多数の釣り人に情報が拡散してしまう可能性もあります。
私は釣りには一切使用していませんが、現代の釣り人はSNSなどで広く繋がっていて、そこからの情報に頼って釣りをしている傾向があります。
近頃、昨日まで釣り人が一人しか居なかったようなポイントに、翌日には釣り人の大行列ができているなんてことがよくあるのは、誰かが釣った情報がSNSなどで拡散されたせいである可能性が高いのではないでしょうか。
ですから、もし「釣れましたか?」と聞かれて、気安く「釣れた」と答えてしまったら、のんびり一人で釣りをしていたポイントが、一瞬にして人だらけになってしまう危険があるのです。
このように考えてみれば、「釣れましたか?」と聞かれて正直に答えることは、現代ではかなり危険なことであり、余程信頼できる人物でない限り止めておいた方がよいはずです。
そもそも、釣りというものは、本来は人と繋がるのが嫌いな人がやるような偏屈な趣味だったはずではないのかと、私は思うわけですが、老いも若きもわいわい群れている釣り人が増えてきていて、どうもそういう時代でもなくなってきているようですね。
自分の世界を邪魔されたくないと思うなら、釣り人と気安くペラペラと話すのは、もう止めておいた方が良いのでしょう。
「釣れましたか?」と聞かれたら、嘘をつくことになりちょっと心苦しくはあるものの、いつでも「ダメです」と答えるのが、ベストな方法と言えるはずです。